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LOTUS 25 COVENTRY CLIMAX  (タミヤ 1/20)   

by 田口 博通 Hiromichi Taguchi     

 コーリン・チャップマン率いるティーム・ロータスが1962年に送り出したのが、このロータス25でした。鋼管フレームを使わず、初めて 薄いアルミ板をD字型断面をもつ箱型に成型したモノコックフレームをF1マシンに採用し、高い剛性と軽量化を実現しました。
 エンジンは コベントリー・クライマックス製の1.5リッターV8を搭載しています。
 ロータス25は 天才ジム・クラークのドライビングにより、62年に3勝を、63年に7勝を上げ 圧倒的な強さで年間チャンピオンを獲得しました。
 その後、全てのF1マシンがモノコック構造を採用し、ロータス25は 大きな技術革新の礎となったのです。
  タミヤ 1/20は 1997年に発売されたもので、このロータス25の魅力である カウルの葉巻型のスタイルが醸し出す60年代の雰囲気を いかんなく 再現しています。 モノコックフレーム、エンジン、サスペンションとも素晴らしい出来です。タイヤのトレッドの彫刻も素晴らしく、一作の価値ありです。 
 
 ブリティッシュ グリーンに イエローのストライプが美しく、ロータス25のモデルの最大のポイントは カウルの塗装です。ここさえ うまく こなせると、すっきりとしたシャープなF1モデルをGETすることができます。 今回は このカウルの塗装に絞って 詳しく紹介します。

魅力的な 葉巻型スタイルの ロータス25


箱絵


(写真1) 塗装した カウル部品



 組み立て

 上下カウル部品の接着

 60年代のF1モデルは 下カウルを含め全カウルを 一番先に塗装する必要があります。 そうしないと、モノコックシャーシーを組み立てることすらできません。組み立て説明書の順番とは違いますが、上の(写真1) のように、カウルにブリティッシュグリーンにイエローのストライプの塗装をし、デカールも貼ってしまいます。
 カーモデル全般に言えることですが、胴体の塗装を最初に行ってしまうことが、完成への近道であります。 
(写真2) まず、上部カウルA7 に, カウル下部A6を接着し、継ぎ目を400番、800番、1200番のペーパーを順にかけてゆき、丁寧に継ぎ目を消してゆきます。

(写真3) その後コンパウンドで磨き、しっかりと傷を消しておきます。


(写真2) 上部カウルA7に エアスクープ部のカウル下部A6 を接着したら しっかりペーパーをかけて継ぎ目を整形する。


(写真3) 金属磨きか、コンパウンドで傷を消す。


 塗装の手順

 (1) グリーンの塗装
 今回は 塗装の詳細手順を判り易く、紹介します。

カラーには Mr.カラーの No1 白   No.4黄色  No.6グリーン  No.48透明クリアー を使用 しました。
 (写真5)のように 上カウル、サイドカウル、リヤカウル、車体底面を グリーンで吹きつけ塗装をします。
 不要なベニヤ板を用意して、発砲スチロールをベース替りににした台を作り、全カウルをまとめて塗装すると 能率的です。


(写真4) グンゼMr.カラーの No1 白   No.4黄色  No.6グリーン  No.48 透明クリアー を使用


(写真5) グリーンを塗装する。


(写真6) グリーン塗装済みの上部カウル


 (2)イエローストライプの塗装

 
 次は黄色のストライプを塗装するわけですが、マスキングゾルと型紙を使ったマスキングの方法を紹介します。

まず、カウル全面をマスキングゾルで マスキングします。
ボディが複雑な曲面で構成されているので、マスキングテープよりもマスキングゾルの方が使い易いからです。

デカールからゼッケンの直径と ストライプ幅の寸法を採り、方眼紙で 別々の型紙を作ります。

(写真7) ストライプの型紙をマスキングゾルの上にスティック糊で固定。その上にゼッケンNo.の型紙も同様に固定します。

(写真8) この型紙を使って、よく切れるカミソリで ストライプ部分とゼッケンNo.の部分のマスキングを切り取ります。
 (写真9) 先に濃いグリーンを塗ってしまっているので、イエローの発色をよくするために 白で下塗りします。
 この白は ゼッケンの下地も兼ねているので、下塗りが終わったら、ゼッケンの丸の部分を また、マスキングゾルで マスキングしておきます。

(写真10) イエローをストライプ部分に塗装します。

(写真11) 乾燥したら、マスキングゾルの境目をカミソリでなぞり、きれいにマスキングゾルをはがして、塗装は出来上がりです。

 リアカウルも同様にマスキングして、イエローストライプ塗装を行います。(写真12,13,14,15)


(写真7) 黄色のストライプを塗装するために、全面をマスキングゾルで マスキングする。
方眼紙で ストライプの型紙を作り、スティック糊で固定。その上にゼッケンNo.のマスキングを切り取る。


(写真8) 片刃のカミソリの先端を鋭角に折り、切れ味を鋭くして マスキングゾルをカットする。


(写真9) 黄色の発色を良くするために まず 白で下塗り。
下塗りが終われば、ゼッケンNo.の白の部分は また、マスキングゾルで マスキングしておく


(写真10) イエローでストライプを塗装


(写真11) マスキングをはずして 上部カウルは 出来上がり


(写真12) リアカウル 型紙を使いマスキングゾルをカット (写真13) 白で下塗り


(写真14)  イエローを塗装  (写真15) マスキングをはずして 出来上がり


 (3) デカール貼り

 (4) クリアーがけ
 カウルの塗装が終わったら、モノコック部分と上部カウルの仮組みをして デカールを貼る用意をします。(写真16)
 破綻がないことを確認したら、ゼッケンNo. ロータスマークなどのデカールを 慎重に貼って行きます。
 胴体のゼッケンは上下で分割されてしまうので、乾燥後、丁寧に カミソリを境目に入れ、分割します。
 TEAM LOTUSのデカールも細いので 貼る時は 特に慎重に。
 もし、デカール貼りに失敗しても、タミヤに220円で部品請求すればいいので、それを活用して、こんなことで、完成をあきらめる必要はありません。
 デカールが乾燥したら、1日おいて 透明クリアーを吹きつけ、デカールを保護します。 (写真17)
 研ぎ出しは手間なので行っておらず、完成後に、実車用のワックスをかけることで、代用しています。光沢的にはこれでも 充分なレベルになります。

  
(写真16) 仮組みをして デカールを貼る用意をします。



(写真17) デカールを貼り、クリアーをかけると 胴体パーツは出来上がり


(写真18) 組み立てた モノコック シャーシー
シルバーはヘアライン風の塗装にしている。


全体のアセンブリー 完成
 カウルの塗装は全て終わっていますので、後は 説明書を見ながら、各部品を組み立て、塗装して行きます。
 エンジンはフラットアルミとセミグロスブラックで塗りわけています。シートとハンドルはフラットレッド。
 サスペンションのメッキ部品は 湯口にアルミ箔を貼って修正しておき、クリアーをかけて保護しておくとGOODです。ホイルのイエローも白で下塗りして イエローの発色を良くします。
 最後に慎重に透明風防を取り付けます。
 ロータス25の魅力的なスタイルが完成しました。

 リアカウル上の透明部品 E1は メッシュで作り直しても良いと思います。
 また、残念ながらシートベルト部品は付属していないので、好みで追加してください。 

 1/20~1/24 は 美しい塗装で 数台並べると立派なコレクションになります。 次は もちろんホンダRA272に挑戦です。


完成写真










Vol.4 2009 May.        www.webmodelers.com          Office webmodelers all right reserved   無断転載を禁ず  リンクフリー
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