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■ タミヤのキットは
 タミヤの T-55Aは実は2代目となる。 初代のT-55は1968年に発売されたもので、もちろん今の目から見ればラフなディテールということになるのだろうが、モーターライズでゴムキャタピラでよく走る好いキットだった。
 今回の2代目のT-55Aはデイテールを重視した完全なミリタリーミニチュアである。可動部は砲塔回転のみ。 この素晴らしいディテールでモーターライズで走ると本当にかっこいいと思うのだが、この35年で技術は進歩したのか? それとも退化したのか? 
 複雑な心境になるのは、モーターライズも経験した私のような世代だけだろうか。我々が住んでいるのはまだまだ 可動か,非可動かの ニ者択一しかできない時代なのかしらね。
 キットの出来はいわゆるタミヤスタンダードで 部品の合いもよい。パーティングラインも目立たない場所に設定されていて、手間もかからず、組み立て易い。 部品のモールドは繊細で 砲塔上面や砲カバーのモールド、赤外線ランプなども実感がある。


 また、接着と塗装が可能な素材の樹脂ベルト式のキャタピラがついていて、ありがたい。ディテールもよくて、実感がある。
 今回は転輪にキャタピラを強引に接着して キャタピラのたるみを表現している。 
 組み立て式の部品数の多いプラキャタピラは個々の部品の実感が一見あるとはいえ キャタピラの組み立てだけで半日以上の時間がかかるのが普通だ。ベテランでもうんざりすることもあり、忍耐の限界を超え、完成を前にしてあえなく沈没することもある。
 だから、塗装もできるベルト式のキャタピラは革新的な技術で、お楽グッズが登場したものだと思う。 その点はタミヤさんを もっと 評価してあげてもいいと思うのだが。
 また、 タミヤのキットは説明書の解説がわかりやすく、手順もよく考えられていて、その通りに 組んでいけば、ビギナーにも必ず完成を見ることができる。これは、当たり前とは言え、プラモデルの基本中の基本であり、うれしいことである。

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Vol.2 2009 Mar.        www.webmodelers.com          Office webmodelers all right reserved     リンクフリー