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 ソビエトAFV
SAM ミサイル   (トランペッター 1/35) 

                                                     by タンクダンク
  今月はソビエト戦車の連載から少し横道にそれて ソビエトAFVの珍しいアイテム、対空SAMミサイルを作ってみたいと思います。
 トランペッターから ランチャー付のSAMミサイルが発売されています。ベトナム戦争では このような対空ミサイルで バッタバッタと世界最強のアメリカ機が打ち落とされた訳で、能力が実戦で証明されています。大きいだけに迫力があります。

完成写真


トラペのキットは

 数年前に発売されたキットで、ランチャーと対空ロケットミサイルから構成されています。大きさは30cm以上になり ランチャーにロケットをセットすると とにかくでかいです。まず、飾り場所を確保することが先決。   ランチャーは箱組みです。ロケットの構造は2段式になっていて、接合部や噴出口もよく出来ています。 組み立ては簡単に見えるが 残念ながら さにあらず、組み立て技術を要求されるキットでした。

製作

ランチャー

 説明書の通り組み立てればできそうなものですが、実はかなり手ごわいキットです。本体は箱組みですが、ランチャーの射出角度を決めるギア構造部が理解できなくて、結局、射出角度を決めて接着してしまいました。
 地面への4つ脚の設置台は残念ながら水平になりません。これは組んでから脚先端部の部品形状を見て、あたっと初めて気づくことで、地面から浮いた箇所は現物あわせで裏面にプラ板を貼り付けるなどして、対策をする必要があります。
後部の火炎受け板とランチャー本体との接合部が心もとなく、何度も組み立て中に壊してしまいました。しょうがなく、金属線でピンを作って固定するようにしました。キットに銅線が付属していますが、さもありなんと納得しました。
丸い脚板は3脚も含め、角度が決めにくいので、金属ピンで接続できるように変更して、現物あわせで地面にぴったり着くようにしました。


SAMロケット


 本体は左右を接着して、よく整形しておけば問題ないと思います。私はパテを塗りたくって、丸く整形しました。
 問題は、翼の取り付けで、イモ付けに近いので、傾かないように注意が必要です。金属ピンを付加してしっかりとりつけるといいでしょう。傾いてしまうとサマになりません。
1段目と2段目のロケットを接続する時には 各々が中心軸から歪まないように 特に注意が必要です。3本の接続部品で調整し、4本目は強引に瞬間接着剤でいもづけしました。組み立てる方は 苦労をご一緒に。


上塗り塗装 と ウエザリング

 下塗りには タミヤパテをグンゼシンナーで溶き、溶きパテを作り、ランチャー全面に施しました。つるつるしたプラスチックの成型表面をガサガサしたテクスチャーに簡単に変えることができるのでお薦めです。
その後、Mrからーのマホガニーに黒を加えつや消しにしたもので、細めの筆で隅までくまなく塗って影付けをしています。

 ミサイル表面は つるつるにしたい方は 1000番のプライマーを吹き付けて、軽く磨くとよいでしょう。
私は、外気の風雪にさらされて、経年変化でガサガサになってしまったSAMにしたかったので、溶きパテを塗りました。

 ランチャー塗装は、ロシアのグリーン塗装としMrカラー特色のロシアングリーン2を使い、エアブラシで塗装しました。
下塗りのこげ茶がスミに残るように吹いています。
 乾いたら、ローアンバー(油彩)をペトロールで溶いて 全体をウォッシング。
 ドライブラシは ウォッシングの油彩がしっかり乾いてから エナメルのバフで強めにおこなっています。
 更にエナメルのレッド系やダークブラウンで錆び汚れを各部に書き込んでみました。兵器といっても、鉄の塊りというか、クレーンのような土木機械に近いイメージとしました。
 
 SAMロケットはライトグレーをつや消しにして吹いています。
排気口や翼のアクチュエーターは しっかりと塗り分けるとアクセントになります。

 SAMは各国で使われていますので、無国籍雰囲気にすると 展示会のジオラマで使い廻しができます。 また、対空ミサイルは空をにらんで、使われない内に退役を迎えるのが普通です。風雪でつやけしになってしまった塗装にツヤツヤの真新しいマーキングでは雰囲気を壊してしまうと考え、マーキングは一切行ないませんでした。 

逆に艶々の塗装で現役バリバリの新品にする場合は、細かいマーキングを施しておくといいと思います。

完成写真



完成

 塗装しだいで、無骨なランチャーとロケットの組み合わせとなるか、艶々の近代的なランチャーとミサイルの組み合わせとなるか、自分自身の設定で雰囲気を選択することができます。とにかく完成すると迫力満点の大きさです。専門兵器に特化したソビエトAFVらしさを感じ取ることができました。



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Vol.16 2010 Apr.        www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /editor Hiromichi Taguchi 田口博通
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