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「異形の翼」シリーズ (その2)
MIG-37B "FEREET E" (イタレリ 1/72)   

by 横田の角さん        /


レッドスターの左機は昨年の北京ステルスショーで ロッキードF-119 と並んで 展示された敵役 ロシア製ステルス機 MIG-37B "FERRET E"
極めてラジカルな機体形状で インパクト全開


 横田の角でございます。数回に渡り、「異形の翼」を登場させていただくことになりましたこの番組、
 異形の翼と聞くと、「ゲテモノ」を連想されるようで、恐れ慄く向きもおありでしょうが、そこはそれ、虚実お含みの上、お付き合いいただきたいと存知ます。
 
 さて、第2回目のお題は イタレリから発売されているロシアのステルス機 MIG-37でございます。
 アメリカのステルス攻撃機ロッキードF-119に比べて、MIG-37は一回り小型。MIG-21程度の機体規模で軽快な機体に仕上がっていて、2枚の垂直尾翼が特徴的でSF的なインパクトのあるスタイルをしております。
 まだまだ秘密のベールに包まれたロシア空軍のことゆえ、用途は不明なものの、排気口の赤外線放射を隠した形態と機首が小さくレーダーが短距離探索の極小タイプと見られること、また、搭載武器から判断して、要撃専用、もしくはヨーロッパ侵攻爆撃機に随伴するステルス戦闘タイプと見受けられますが、さて如何に?
  このMIG-37はフライングが相次ぐイタレリからリリースされており、それらしいディテールはしていても、さて、実機と比べて正確か?というと、真偽の程は全く不明であります。よく、こんな鉄のカーテンのベールの奥の秘密ステルス機の資料をイタリアの一プラモメーカーが入手できたものです。
 スタイルは先月の Su-47が前進翼の「カモ南蛮」とすれば、こちらのMIG-37は くちばしが特徴的で「かものはし」といったところでございましょうか。
キットの指定塗装は、全面黒のステルス侵攻迷彩と、ホワイトとグレー2色の制空迷彩となっていますが、今回は、「闇夜のかものはし」迷彩といたしました。
 
 キットの箱絵



製作

 それでは製作へと参りましょう。普通はコクピットから製作を開始するので、このコクピットに凝りすぎると、挫折してしまうことも多いのであります。
 キットのコクピットはバスタブに計器板と操縦ステックという構成で、部品点数も少なく 良くまとまっています。ただし、旧来の操縦ステックという設定には疑問があり、F16のように右手で操縦するゲーム型ステックを自作し、サイドコンソールに取り付けるように改修しました。
 コクピット内部色は ロシア機特有のど派手なブルーシルバーでなく、落ち着いたブラックグレーに塗装しておきました。
 胴体は、せまい機首におもりを結構贅沢に組み込みまして、上下接着すれば形になります。
 機首先端は透明部品がついていて、カメラ窓という設定なのでしょうが、仕込んだおもりが素通しに見えるのもチョットというわけで、赤外線フィルターは赤っぽいブラックですので、透明部品の裏側を黒に赤を混ぜて塗ってしまい、、機首に接着しました。 
 上部のエアインテーク部品は左右一体になっていますので、一方に傾かないように注意が必要です。このエアインテークは、非常に特徴的な形態で、奥のエンジンファンをシルバーに塗っておくと、狭い隙間から覗きこんだ時に、「やっぱし、反重力エンジン機ではなく、通常のジェット機だったんだ」となんとなく、観覧者を納得させる仕上がりが期待できます。


 排気口付近は特徴的な形態をしており、ブラスター型で、水平偏向板が2枚ついています。
また、水平偏向板の上下の2枚が可動エレベーターだと思いますが、確証はありません。
主翼は 胴体の取り付けベロが大きいので、下半角がきちんと取り付けられます。
垂直尾翼が鬼門で、排気口を隠すように斜めに取り付きますが、イモヅケなので、左右のバランスに注意が必要です。



 胴体上部の2個のエアブレーキは地味なブラックの機体に動きを与えますので、コブラなど大機動に派手に使われるのかもしれないと思い、開いた状態としました。  胴体腹面に収納式の武器ランチャーがあり、アトールを2発と、太めの特殊ミサイルを搭載するようになっていましたが、開状態にすると、地面にこすりそうでしたので、武器扉は閉じた状態としました。



塗装


 今回のミッションの完成プロフィールは「闇夜のかものはし」でありまして、機体全面をつやけし黒で塗装しました。デカールはキットの塗装説明では、黒塗装ではREDの注意書きデカールは使うように指定されていますが、 見た目の派手さを優先し、ホワイトの 注意書きといたしました。
 
 半ツヤ消しクリアーをスプレーして、全体のツヤを揃え、脚、キャノピーを丁寧に接着すると完成と相成ります。

完成

 さて、ロシアに実戦配備されたステルス機の佇まいはいかがでしたでしょうか?
 ロシアの秘密のベールに包まれたはずのラジカルな形態のステルス機が NATOの放送偵察衛星に既に90年代に捕らえられており、秘密裏にイタレリがキット化を進めていたとは正に驚きです。
  さらにもっと驚くことには、昨年の北京ステルスショーで ロッキードF-119 と並んで 実機が展示されたことであります。 これからのステルス機の開発と各国への売り込み合戦はどうなっていくのでありましょう。
我々民間人には計り知れない世界でございます。
 では、今回はこのへんで失礼いたします。横田の角でございました。




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Vol.19 2010 July.     www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /editor Hiromichi Taguchi 田口博通
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