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タイガー初期型 (1/35 アカデミー)の製作

by しげしげ


アカデミーのタイガー初期型を製作いたしました。
完全インテリア内臓のキットであります。

箱はこんな感じ。→1.jpg


中はこんな感じです、箱絵のポスターも同封されてます。何気に豪華です。→2.jpg


しかし、膨大なパーツです・・・→3.jpg


先ず、パーツチェックから。

①車体全面上部装甲版のガンマウントサイドのカバー取り付けネジのモールド。
離れている上に上下が逆、切り離してつけかえる必要があります。→4.jpg


②雪かき用のでかいスコップの形状も違います、ちなみに、ドラゴンのキングタイガーのキットをお持ちの方は、タイガーⅠ用のこのスコップが不用パーツが入ってます、これに置き換えると良いでしょう。私は気付かずに、パテでシコシコ修正しました・・・。→5.jpg


③車体右側面に付くキャタピラ交換用ワイアーが違います、キットのパーツがは後期型の張り方、前期型はもうちょっと複雑。
ナイロンの水糸とフックで自作という事になります。→6.jpg


④上面装甲版にモールドされているライト基部が違います。明らかなオーバースケールで、正面はノッペラボー。
オーバースケールはある程度妥協するとしても、ノッペラボーは・・・。ここが気になる方はタミヤの「4号戦車車載工具セット」に正確なライトと基部が付いてますから、2つ買ってきて付けると良いでしょう。4号車載セットは安くて汎用性も高いので、揃えておくと便利です。私は在庫を無くてまして、この部分は諦めました。→7.jpg


⑤ライト本体もオーバースケール。それよりも問題なのは、開口スリットの形状。明らかに短い。ここを修正するだけでも随分印象が変わります。→8.jpg


⑥連結キャタピラはエッジが少々厚めですが、なかなかいい感じ。裏面の3つの押し出しピンの跡が問題です、全200個のパーツにこれが付いて入るわけです。転輪に隠れる部分を考えながら、凹んだ跡は諦め、飛び出した跡は総て平らに修正しないといけません、そうしないと、転輪が綺麗に並ばなくなるからです。→9.jpg



⑦ネットのステンレスエッチングも付いてますが、これが難物で、焼きナマシても硬い、踏みしだかれた表現をすると接着が剥がれます。
こういうネットパーツは柔らかい真鍮が良いですね。
私は車体ルーバーに真鍮線で4隅を縛り付けるという荒技で固定させました。→10.jpg


さて、こもキット、タミヤのタイガー初期型とパーツがピッタリと合います。砲塔その他全部仮合わせしてみましたが、完璧です。要するに、「タミヤとの二個一で作れば」、①から⑦の諸々の問題点は一挙に解決します。→11.jpg


グレーがタミヤの上部、下部のダークイエローがアカデミーです。
私はケチなので、殆どアカデミーで修正しながら組みましたが、精神衛生上、「二個一」の方が無難です。
完成品の修正部の各写真です。
①無線機、砲塔内の電装品の多少の配線を追加→12.jpg


②砲弾ラックとドライバー用工具箱(?)の前部のパネルが省略されているのでプラ板で追加→13.jpg


③雪かき用大型スコップのホルダーを自作→14.jpg


④牽引用大型ワイアー本体を自作→15.jpg


⑤エンジンアクセスパネル上にあるファイフェルフィルターのパイプのホルダーを自作、
また、ファイフェルフィルターとパイプを連結する四角いパネルを自作→16.jpg


⑥ライトコードとそのホルダーを自作→17.jpg


⑦ライトは後ろのコードその他を自作→18.jpg


⑧砲塔のスモークディスクチャージャーの配線その他を自作→19.jpg


⑨防盾上の鋳造ナンバーを付加→20.jpg


⑩ケベックカステンの止め具を余りモノのエッチングで表現→21.jpg


⑪問題のライト基部のノッペラボーはチェーンを巻いてディテール隠し→22.jpg


⑫ファイフェルフィルターのキャップに付くチェーンを追加、これは多少オーバースケール。→23.jpg


その他、圧延装甲版の荒れとか、実車の薄い部分を削り込んだりとか、バトルダメージとか小傷とか、諸々、細かな部分に手を入れています。

内部を閲覧できるようにするために、車体と砲塔の上部の各パネルは取り外し出来るようになってますが、各パーツの歪みとかを接着で矯正出来ない訳で、パーツ段階での水平、角度を正確に出す必要があります、また、内部との干渉も幾つかあります、トランスミッションと天板、砲塔上部天板に付くベンチレーターと側面板などです。このキットに費やす時間のかなりの部分はこの地味な作業になります。
ドラゴンのキットのような派手な歪みはありませんが、タミヤのように正確無比、尚且つ「少しだけ遊びを入れてくれているような親切さ」というのもありません。
無線機のダボ穴のズレを除けば、各パーツは非常に正確ですが、遊びが無いので、パーツの慎重な整形と借り組みが全篇に渡って必要となります。→24.jpg


車体全面下部装甲版と上面全部装甲版の合わせは、キットでは前部装甲版をサンドイッチ状に割る形で分割されている(タミヤも同じ)
んですが、未接着では実感を損ねる為に溶接線上で分割される様に修正しています。→25.jpg


フィギュアは、タミヤのキングタイガーのアルデンヌに付属の3体を土台にして頭や腕や手を換えて車体にフィットするように改造しています。ドライバーの手は、タミヤの砲弾搭載セットの整備員さんの手が素晴らしく、どうしても使いたかったので付け替えたんですが、全体とのバランスが悪く、物凄い手のデカイ人になってます(笑い)→26.jpg


車体内部内部の俯瞰はこんな感じです、戦車模型というのはどうしてもくすんだ色合いばかりなので内部ぐらい華やかで鮮やかな感じで塗りたいですね。→27.jpg


砲塔内部の状況です。少し汚れがきつ過ぎますね、ホワイトベースだと汚れが乗りやすいので、抑え目に汚しを入れた方が良いみたいです。→28.jpg


各細部はこのようなイメージになります。→29.jpg


全体俯瞰



ランナーの段階では「何だかなー・・・」みたいな感じだったんですが、パーツそのものは正確に合うし、組みあがってみると立派なタイガーが形を現します。
塗装は第一SSに良く見られる三色蛇行迷彩です。
洗いをかけ、エッジを立たせて、汚れや雨だれ、サビ、塗装剥げを全体に書き込んで、つや消しのクリアーを吹いて、金属の光りを描いて終了。

もう10年以上前のキットなんですが、完成してみるとそんなに古い感じはしないですね。
基本のプロポーションは問題ないので、手をいれてやれば今でも十分通用するキットだと思います。
何よりも、中身があるというのが楽しい、最近のスーパーディテールも楽しいですが、こういう、中身があったりとか、可動ギミックがあるとか、そういう楽しみ方があって良いと思いますねえ。






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Vol23 2010 November.        www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /editor Hiromichi Taguchi 田口博通
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