Home >今月のハイライト>懐かしのB級キット(第6回) バッファロー (アオシマ 1/72)

懐かしのB級キット(第6回)
バッファロー (アオシマ 1/72)

by 田口博通 
  玩具から始まったプラモデルが ギミック路線か、それとも 全く動かないけれども精密なモデルの方向に行くか メーカーによって多様性に溢れていたのが 1960年台でした。
 当時から、精密というには?がつくけれども ギミックが面白いプラモデルを日本メーカーが多く発売していました。エルロン、方向舵可動は当たり前、というか それが当たり前のトレンドの時代だったともいえます。
 学校前の文具店でプラモデルが売られていることも多く、箱絵が魅力的でショーウインドーに釘付けになり、学校帰りに店の前の道路で座り込んで、プラモを作った経験のある読者も多いはず。小学生の遊びの一部として当たり前にプラモデルがあり、今からは想像も出来ないプラモ黄金時代だったと思います。

 
 金型精度が追いつかず、可動部がガタガタで、細かいディテールは?が二つくらいつくが、デッサンはなんとなく実機の雰囲気を再現しているという今でも捨てがたいキットが多くありました。既に絶版になっているものが多いのですが、幸い、その中には今でも生き残って現役のプラモキットもあります。

 このシリーズは そんな 懐かしいB級キットを取り上げて行こうという連載です。形状とか デイテールを求めるならば、後発の決定版を購入すればいいわけで、ディテールの修正などをせず、オリジナルの雰囲気を壊さず、完成を目指したいと思います。




 この連載 6回目になり、今月は アオシマ 1/72 バッファローにいってみたいと思います。
なんだか、アオシマのキットを 懐かしのB級キットとして取り上げることが多いのですが、決して、アオシマが B級キットばかり 出しているわけではないので、誤解無くお願いいたいします。

このキットの売りですが、お約束のエルロンが可動するだけでなく、下の写真のように主脚が折りたためます。
 発売はやはり、1960年代。パイロットはお決まりのさらし首スタイルですが、スタイルはとりあえずバッファローのように見えます。
  このアオシマのキット群、現在も元気に現役でプラモデル店の棚に並んでいます。これからも健在を祈りたいところです。

個人的には プラモデルの組み立ての醍醐味を味わえる深みのあるキットとして、評価しています。



キットについて

 現役で 1/72精密シリーズNo.10として販売されています。現在の箱絵は REDの帯が左側にあしらわれていて、雪山?を飛ぶ バッファローといった趣です。
さて、暖英機は アジアに配備され、日本軍と戦ったはず。どこを飛んでいるのでありましょうか。
ダークグリーンとダークブラウンの標準迷彩に、各部にハゲチョロが加わった実感たっぷりな塗装で、プラモ少年には実に塗装の参考となったものです。
                
箱絵



 組み立て説明書は 横長の1枚で 簡単な内容です。
コクピット内は何もなく、組み立て最後に上半身だけのさらし首パイロットを接着するようになっています。        
 
脚が引き込みますので、詳しい解説がついています。
主車輪は軸を焼止めして回転させるように指定されています。
エルロン、フラップはもちろんお約束の可動。風防も可動式となっています。
この1枚の組み立て説明書に、塗装図も部品図もついていて親切。これでなんなく組み立てられます。

製作 

 説明書にしたがって まず、胴体を作ってしまいます。
コクピットを自作しようなどという 不埒な野望を持たぬようにしましょう。
 主脚の可動部は内側の支え棒が細く折れやすいので、1mmのシンチュウ線で置き換えておくと、何度引き込んで遊んでも 破損することがありませんので、金属線との置き換えをお薦めします。
 車輪は焼き止めとされていますので、現在の自分の技術を信じつつ、焼き止めにトライしました。が、結果からいうと車輪が回っても仕方がないので、あっさりと固定してもよかったかもしれません。
 翼エルロンはピンのバリを完全にとらず、少しひっかかるくらいがいいでしょう。エルロンが重さでダラリと下がる場合は、可動部に マスキングゾルをつまようじの先につけて塗っておくという裏技も使います
 ビヤダルのような愛らしい機体がすぐ完成しますが、残念ながら、各部がガタガタです。カウリングの形状も今ひとつですが、許してあげましょう。また、このキットにモールドや、パネルラインをとやかくいうのは ヤボというもの。
 あるがままをそのまま受け入れるのも B級キットの楽しみ方の醍醐味だと思いますが、いかがしょうか。



塗装

1960年代雰囲気をと思い、筆塗りで迷彩としています。
 とはいいつつ、 上面は Mrカラーのイギリス特色セットから ダークグリーンとダークブラウンを使っています。
 残念ながら 標準色のNo.22、23、25(ダークシーグレー)は全然似ていない色で メーカーに なんとかしてもらえないかなーと皆いいながら なんと発売から変わりなく40年以上経過しております。知人にも これらの色を使ったという人は誰もおりません。この40年間の使えないこれら3色の存在意義はなんだったんでしょう?
そういえば、イギリス特色セットも店頭では手に入りにくくなっています。塗料メーカーさんには 標準色を変える手を打つなど ぜひ 顧客満足度の向上をお願いしたいところです。

下面は No.24スカイ。
胴体帯とスピンナーは No26 ダックエッググリーン
各色の境のぼかしは隣り合う色を混ぜて、細筆でぼかしました。
デカールはキット付属をそのまま使用しています。
各色の艶合わせとデカール保護のためにつやけしクリアを軽く吹いて胴体の塗装は完成です。
脚注は下面色。
プロペラはつやけしブラックで先端がイエローとしました。
キャノピー枠は 複雑ですが、マスキングゾルを使って、丁寧に枠のマスキングをカミソリで切り取って筆塗りしました。
なんとか見られるでしょうか。

 小物ですが、ピトー管は洋白線とシンチュウパイプで自作。
アンテナ柱は金属線の自作で、アンテナはテグスを使っています。


完成

 各部 ガタガタで、モールドも荒いのですが、なんとかバッファローに見えるでしょう。
 快調に主脚が引き込めれば それはそれは楽しいものです。
ぜひ 一作をお薦めします。
 
 またまた B級キットコレクションに一機加わりました。
おつきあいいただき ありがとうございました。




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