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イギリス博物館めぐり(その20)
ソレント・スカイ博物館 レポート

小柳 篤司    コヤナギアツシ       . 

 2011年3月号はサウサンプトンのソレント・スカイ博物館のレポートです。

 2010年7月のイギリス旅行で7/11(日)から7/15(木)までサウサンプトンに泊まり、ここを拠点に鉄道を利用してポーツマス、ヨービルトン、ボービントン等、各地の博物館を回りました。サウサンプトン滞在の最終日7/15(木)は鉄道を利用せず、サウサンプトン駅から徒歩で約10分で行けるソレント・スカイ博物館に行きました。
http://www.spitfireonline.co.uk/
 サウサンプトン市内を散策した後でソレント・スカイ博物館に行くつもりでしたが、朝から雨で風も強かったので真っ先にソレント・スカイ博物館へ向か
いました。
 港町のサウサンプトンはタイタニック号、クイーン・エリザベス号等の豪華客船の母港のイメージが強く航空とは余り縁が無い印象ですが、最後のシュナイダー・トロフィ・レースが開催されたワイト島にも近く、飛行艇メーカーとして出発したスーパーマリン社発祥の地です。
 ソレント・スカイ博物館は小さな博物館ですが、四発の飛行艇ショート・サンドリンガム、試作だけで終わった飛行艇ジェット戦闘機ソンダースローSR-A1、シュナイダー・トロフィ・レースで活躍したS6A水上機等、珍しい飛行機が展示されています。その他の展示機はスピットファイア、バンパイア、シービクセン等、イギリスの博物館では珍しくない飛行機ばかりですが、小さな博物館なのでスピットファイアのコクピットを見せて貰えたり、サンドリンガム飛行艇のコクピットに座らせて貰えたり、大きな博物館よりフレンドリーな応対をしてくれます。 狭い館内に展示機が所狭しと置かれているので機体全体を撮るには不向きですが、壁際の回廊が設けられているので、機体上面等、他の博物館と違うアングルから撮れます。大きな博物館では展示機全ての詳細を撮るには一日では足りませんが、ソレント・スカイ博物館は展示機が少ないので半日でも足りるでしょう。
 サウサンプトンの旧ドックで"Aeronautica"なる新しい博物館の計画が発表されたので、完成の暁に現在の展示機は移転される筈ですが、収蔵されたままで非公開の機体も展示されるかも知れません。
http://www.bbc.co.uk/news/10319239


写真(1) ショート・サンドリンガム "Short Sandringham"
第二次大戦中に活躍したショート・サンダーランド飛行艇の民間旅客機型で、展
示機は1974年までオーストラリアのアンセット航空で運航されていました。


写真(2)
博物館の職員は、ダグラスDC-4のエンジンに換装されたと言っていました。


写真(3)
垂直尾翼にアンセット航空のロゴが描かれています。


写真(4) サンドリンガムのコクピット


写真(5) サンドリンガムのキャビン


写真(6)スーパーマリンS6A "Supermarine S6A"
1929年のシュナイダー・トロフィ・レースで優勝した機体で、1931年の最後
のレースでは予備機となりました。イギリスにトロフィーをもたらした栄光
の機体、スーパーマリンS6Bはロンドンの科学博物館に展示されています。


写真(7)ソンダース・ローSR.A/1 "Saunders-Roe SR.A/1"
第二次大戦中に対日戦用に開発されましたが 、初飛行が戦後1947年7月15日に
なり試作機が3機製作されただけで終わったイギリスの水上戦闘機 です。


写真(8)ソンダース・ローSR.A/1の尾翼。
 

写真(9)スーパーマリン・スピットファイアF.24 "Supermarine Spitfire F.24"
ロールスロイス・グリフォン・エンジンを装備したスピットファイア戦闘機
の最終型で、この機体は第二次大戦後の1946年に完成しました。


写真(10)デ・ハビランド・シービクセンFAW.2 "de Havilland Sea Vixen FAW.2"
機体下部フックにロープを掛け、航空母艦からの発艦時に機体とカタパルト
・シャトルをブライドル・ワイヤーで繋いだ状態を再現しています。


写真(11)アブロ504J "Avro 504J"
アブロ504系はイギリス各地の博物館に展示されていますが、この展示機は
レプリカでした。


写真(12)デ・ハビランドDH.82タイガーモス "De Havilland DH.82 Tiger Moth"
アブロ504Jはレプリカでしたが、タイガーモスは本物です。


写真(13)デ・ハビランドDH.115バンパイアT.MK.11 "De Havilland DH.115 Vampire T.MK. 11"
バンパイア複座練習機型は、戦闘機型が退役後も暫くは現役でした。この機体
は元スイス空軍機です。


写真(14)フォーランド・ナットMk.1 "Folland Gnat Mk.1"
TSR.2の設計者テッド・ペッター技師が設計した軽戦闘機ナットは、イギリス
では単座戦闘機型は採用されませんでしたが、インドとフィンランドでは制式
採用されました。この展示機はイギリスで評価テストに使われた機体です。


写真(15)1950年代頃の模型店がショーケース内に再現されています。


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