Home  >今月のハイライト>F106 デルタダート  (ハセガワ1/72)

F106 デルタダート
 (ハセガワ1/72)

by 加藤 寛之



 40年以上前に金型が造られたキットだと思う。新発売のころ、それは私が子供のときなのだが、このキットを兄が作り飾ってあった。青くシャープな形に“カッコいいなぁ”“ボクもいつか作ろう”と思ってから、40数年が過ぎてしまった。今見ても、やはり青くてカッコいい。 



ランナーから胴体や主翼のパーツを外すと、それ以外のパーツは驚くほど少ない。昔のキットは、これだから簡単に完成したのだ。胴体左右は、接着面を均しただけでほぼ合う。コックピットは前脚収納庫と兼ねた床板、座席、計器盤しかない。このうち、座席は胴体接着後に付ける方がよい。胴体左右を接着したら、風防パーツとの合いを調整する必要があるのだが、そのときに座席があると邪魔なのだ。私はそんなことは考えずに組んだので、風防パーツとの合い調整が中途半端になってしまった。下面にはミサイル収納のための大穴がある。私は武装を付けないので、ここは閉じて組んだ。キットは開いて作ることが基本なので、閉じるには多少の手間がかかる。また、開放状態が基本のために、細かなモールドは省略されているので、扉を閉じると胴体下面はツルッとしただけになってしまう。下面で見えにくいので、私はそれでよしとする。機首パーツは、胴体との線のつながりがあまり良くないが、これも多少の削りとパテで許容範囲に収まる。
 


主翼は上面側に前縁と動翼が付いている。下面を組み入れてみると、前縁側が高すぎて段差ができるので、接着面を削りこんでおいた。ただし下面側なので飾ったときに見えない位置だから、そのままくっ付けてしまっても支障はないはず。むしろ処理すべきはソーカット部分と翼端で、肉厚が見える部分を切り取り、主翼が薄く見えるようにしておいた。
心配した主翼と胴体の上面側の合いは、驚くほどよかった。40数年前のキットだと思えば、これは見事!としか言いようがない(ただし、主翼上面パーツの胴体接着面の抜き勾配を、しっかり切削しておくという、この当時のキットを組む際の常識を守っての話だが)。下面や垂直尾翼に生じる多少の隙間や段差は、パテを詰め込んだり削ったりすれば処理できる程度で、問題にするほどではない。
 


 と、ここまで組んだところで仕事が忙しくなり、2週間ほど中断した。あとは塗装、という段階である。“さて、再開”と思ったら大事件発生!組み図がない・・・!。どうやら紙ゴミと間違えて捨ててしまったようだ。こうなると細部の塗装が怪しくなる。“まあ、イイや”と思い直して続ける。全体塗装は、キットの凸モールドを活かしてみた。塗装前に、軽く凸モールドにサンドペーパーをかけて段差を減らしておく。厚塗りぎみにエアクラフトグレーを塗った後、2000番のサンドペーパーをかける。すると凸モールドが削れて素材の色が露出して、これが線やリベットとなって目だってくるという手法。表面に残る擦り傷は、デカールなどを貼った後に半光沢クリアーの缶スプレーを噴けば見えなくなる。塗装指定が分からなくなったので細部塗装が間違っているとは思うが、そこはご勘弁願いたい。多少気になるのではあるが、これで完成とした。


 Home>今月のハイライト>F106 デルタダート  (ハセガワ1/72)

Vol30 2011June.    www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /editor Hiromichi Taguchi 田口博通
  無断転載を禁ず  リンクフリー

「webモデラーズ について」 「広告のご出稿について」

製作記事

TOTAL PAGE