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 Ta152 H
(レベル(フロッグ) 1/72)

by 加藤 寛之


キット紹介
 アオシマのキットの方がずっと良く出来ているのだが、これも作らないともったいないので組んでみた。いまさら製作記事でもないが、それっぽく書いてみたい。そこで調べてみたら、1971年6月「航空情報」臨時増刊号の『プラモガイド』の新製品紹介で載っていたから、キットの発売開始は1970年ころなのだろう。製品の精巧化が進むなかで、フロッグは相変わらずモヤッとしたキットを出し続けていたから、会社の評判はいま一つだった。 特にこのキットは、コックピットは一体の床と椅子だけ、機首の環状冷却器は正面モールド完全省略なうえに全体の形にも甘さがめだち、機種の人気とキットの出来のギャップが大きかったようだ。数年後にフロッグが経営破たんした理由も分かる気がする。ただし今回組んだキットはレベル製。NOVO時代にソ連から枢軸側のキットを製造拒否されたことでレベルに譲渡されたはずだから、レベルでの製造開始は1970年代半ば以降のはず。



製作
  大きな部分では3か所に手を入れた。環状冷却器のカウリングは形が違ううえにカウルフラップがボーッとした彫り込みなので、それらしく削った。風防周辺のイメージが悪いので、ここは切断して開放状態に改造してごまかす。スピンナーは根元を切り詰め、多少先細りに削って形を改善しておく。他には、主翼の上面のフィレット部分・垂直尾翼・水平尾翼の表面にあるヒケや歪みを削り取ったこと、主翼フィレットの後端をツメたこと、プロペラを少々整形したことなど。 修正ではなく基本工作に当たるが、主翼をピ~ンと展ばして作ることも大切だろう。キットのままでは後縁のきれが甘いし、厚い。また主翼下面は外翼で分割されているため折れ曲がりやすい。Ta152の特徴は長大な翼なのだから、主翼の雰囲気が重要だと思う。上反角もしっかりつけておく。文字で書くと仰々しいが、綺麗に組めばそれらしく見えるので、結構気楽に作っている(いつものように)。


  全体塗装は、モデルアート1989年8月臨時増刊号『フォッケウルフFw190D&Ta152』を参考にした。“なんだ、茶と緑か。以前に作ったときは灰色系の指定だったが…”とか思いながら、おっしゃる通りの色にする。ただし持っている水性塗料の似た色でOKとしたので、色調については超イイカゲンである。ついでに、細部の色もテキトウである。細かいことは気にしない。
幸いデカールが使えたので助かった。用意されていないスワスチカは別売りデカールを使用している。最期に「トップコート半光沢」を吹いて仕上げる。これはつや消しで塗っているためで、水性塗料は艶消しで塗るとベタつきがほとんどなくなることが理由。これが分かってから、私は水性塗料が使いやすくなった。



まとめ
出来上がってみれば、なかなか良い感じだ。“おー、トライマスターのキットくらいには見えるゾ”などと思いながら屋外で写真を撮った。やはり太陽光の下だと、色が鮮明だ。 “イイぞ、イイぞ!”とパチパチ撮ったのだが、(あれ…?可動風防のアタマにワクがあったような??)。…しかたがないので、撮影後にワクを1本書き足した。それで良いのである。 



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Vol 39 2012 March.    www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /editor Hiromichi Taguchi 田口博通
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