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  メッサーシュミット Me262
(レベル 1/72)

by 加藤 寛之



「名キット」特集にあわせて急遽、作った。本心をいえばこのMe262は「名キット」ではないと思うのだが、「ファイターシリーズ」は間違いなく名キット群だったと思う。当時の100円キットではバツグンに出来がよかったし、何よりも“モデラー”と呼ばれる人たちを育てたという偉大な功績がある。だから今回は「ファイターシリーズ」としての出品であり、キットはどれでも良かった。  これを選んだ理由は机の脇にあったからに過ぎない。ただしこのMe262のキットは1980年代(?)に手を加えられたアメリカ製で、フレームランナー型式に改修された後のもの。本体は郡是レベルと全く同じで、ヤーボ用の爆弾とラックが追加されたこと、デカールが変わったことが主な相違点のようだ。



フレームランナー型式になっていたので、キットの見栄えはいい。ところが今回組んだ製品は事後変形がひどくて、左右の胴体をくっ付けるだけでも大苦戦、2か所にヒビが入ってしまった。くっ付きはしたものの正面からみると胴体はねじれてしまい、なんとかごまかして主翼や水平尾翼を付けた。 主翼や尾翼の後縁は金型の劣化が著しく、ブヨブヨ・ヘナヘナ。だが文句を言ってならない、働きに働いた後の深いしわのようなものである。これは削って平らにすればよい。エンジンポッドは主翼との間に大きな隙間があいた。よく見ると金型の歪みが原因らしいので、取り付けガイドの凸を削り取って面を平らにしたら、きれいに収まった。しっかりした設計と金型だったのだ。



主翼と胴体の接合は3段階。まず上反角を決めて左右を瞬間接着剤で固定。次に主翼下面と胴体後方を瞬間接着剤で固定。最後に前方を固定。この順で組むと段差を少なくして固定できるうえに、パテも殆んど使わないで済む。なるべく表面のリベットは傷めたくないものだ。
キャノピーは横に広くて丸すぎて実機とは大違いなうえに、金型もボリボリでバリだらけ・キズだらけ。ここは無理をしない程度に整形してオシマイ。それよりもキャノピー後方へ伸びる胴体部分をスリムに削って、少しだけマシな形にする。美容整形みたいなもので、ちょっとだけきれいにしてあげるのだ。
脚周りは、だいぶ省略した構成になっている。手軽に組める工夫だと思えば、りっぱな考え方である。これだから子供が買って作れたのだ。今回はそんなキットへの御礼に支柱を追加しておいた。足りないと思ったら自分で追加する、これで良いのである。ついでにアンテナやピトー管を真鍮線で付けておいた。



塗装はキット指定を尊重しながら自分なりに判断して塗り、デカールは主なものだけを使った。色は筆で適当に塗ったのだが、案外イイ感じ。イイ感じなのだが、このキットには似合わないように思えてしまう。ドイツ機の塗装考証は「ファイターシリーズ」が売られていたころとだいぶ変わっているので、記憶のなかにあるレベルのMe262の完成姿とズレがあるようだ。 細部にも手を加えすぎたのかもしれない。「当時のように作ればよかったな」と、すこしだけ思った。 


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Vol 45 2012 September.    www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /editor Hiromichi Taguchi 田口博通
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