WW2後の戦闘機開発おいて当時のイギリスは大戦後の経済的疲弊と労働党政権の国防政策によりジエット戦闘機開発はおざなりにされ戦時中に作られたミーティアやバンパイアーの改良機の配備を続けていた。
このような漫然としたイギリスに対して1950年に勃発した朝鮮戦争の登場した後退翼を持っ運動性の優れたMig-15は大きなパニックを引き起こした。
イギリスには直線翼で性能の劣るミーティアしか持っておらず次期高性能機は開発途上とした有様だった。急遽当局はホーカ社とスーパーマリン社に対しミグに対抗できる戦闘機の開発を指示しスーパーマリン社は1946年から開発していたタイプ510(スイフトの原型機)の発展型で応じた。1951年にタイプ541(後にスイフトF.1と改名)として初飛行し1954年に実戦配備となった。
イギリス初の高性能後退翼として期待されたスイフトであったが部隊配備を急ぐあまり多くの欠点を直さないまま配備された。大きい欠点としてはバッフェングによる操縦性不良・高マッハ時における修正不可能なピッチアップとウイングドロップ(これは当時の後退翼ジエット機の持つ共通の問題点)を抱えていた。 |
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その欠点を克服しようとして水平尾翼にボーデックッスジェネレータを追加したりエンジン改良をしたりしたがもともとホーカー社が開発していたハンター機のバックアップとして保険の意味合いの強かった本機なので1954年当局はこれ以上の改良でスイフトの欠点を直すのは不可能と判断され戦闘機としての運用を断念した。
しかし運動性は低いが低空でのダッシュ能力は他機を超えていたので戦術偵察機として新規と改修機合わせて94機作られ1961年まで運用された。
諸元(スイフト F1)
全幅:9.9m
全長:12.8m
全高:4.1m
総重量:9.380kg
エンジン:RRエイボンMk114ターボジエット×1
推力:4.287kg(AB使用時)
最大速度:1,147kg
航続距離:1.015km
上限高度:13.960m
武装:30mm×2
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