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  ロータス7 (タミヤ 1/24)

by サザン湘南

 サザンを聞きながら 初夏の風に吹かれて オープンカーで湘南海岸をドライブしたい。誰しも持つ ささやかな?夢でしょう。
そんなサザン湘南さんの あこがれの 2シータースポーツカーです。(編)

私は2シーターのスポーツカーが好きで、好んで作っているのですが、中でも50年代から70年代のブリティッシュスポーツカーのどこか古風な落ち着いた雰囲気に憧れます。スプライト、MG,ジャガー、TRIUMPH TR2、独特の空気感をまとっていますよね。

このロータス7は街乗りスポーツカーというよりは、草レースカーの雰囲気が濃いのですが、日本にも少数が輸入されているので、ここ湘南でも大事に手を入れてもらってドライブされている姿を見かけます。いいですねー。  たまに、場違いなチャラオニーが ダラッとして乗っているのも見ますが、親にでも甘えて買ってもらったのでしょうか、「若造の乗るようなシロモノじゃねえ、もっと年くってから カッコつけて乗れ」と言ってやりたいです。


実車について

 ネットで見ると、今でもイギリスでは完成品の他に実車組み立てキットの形でも販売されているようです。イギリス人はホビーとして自宅ガレージで時間をかけて組み立てるんでしょうね。
「とあるウエールズの片田舎、曇り空の日曜日の午前中、レンガ作りの窓際に鉢植えの花々を飾った家々が並んでいる石畳の道を散歩していると、一軒の家のガレージのドアが開いている。ふとなにげなしに見ると ハンドクレーンに何かエンジンのようなものがつりさがっていて、油シミのある床にはレンチやらドライバーが転がっている。そこではやせた中年のおじさんが、綿シャツの袖をまくりあげて、一人で黙黙とロータス7を整備している 」なんて光景を想い浮かべます。

ブリティッシュスポーツカーは こんな風にストーリーを想い浮かべることができる。だから、好きなのかもしれません。


 キットの印象


さて、タミヤのロータス7ですが、スタイルもよく、エンジンも内蔵して、部品の合いもよく ストレスなく組み立てやすくできています。1/24ですが 手のひらに乗るような可愛さです。
塗装はレッド、シルバー、ブリティッシュグリーンといったところが定番です。私はブリティッシュグリーンにしてみました。


が、写真にとってみると どことなくコジンマリしていて ちょっと風格が足らないかもしれません。まとう雰囲気がイギリスと同じ島国でも なんとなく日本的。実車はあれでメカニックなゴツゴツとした野性的なところがあるのです。例えばマッドガード、痩せた草ボウボウの狭い土道を細いタイヤで土ぼこりを上げながら走っているからかもしれません。

写真では、以前作ったトミーのジャガーSS-100(編集部注;2011年2月号掲載)との差がハッキリします。トミーのジャガーは32という小スケールで細部は省略されているでしょう。が、にかかわらず、圧倒的な存在感です。ライトガードや、ラジエターガードに金属ネットがおごられているからかもしれませんが、車体からもジョンブルの武骨さが伝わってきます。このプラモデルを作った人達が何を伝えたかったのかが組み立てるにつれ伝わって来ます。モノグラムのACコブラ(編集部注;2010年4月号掲載)も同様ですね。 



 タミヤのロータス7はというと、スタイルはよくとらえている。各部品もキッチリとできていて、合いもよく、歪みもなく、販売する工業製品としては技術的には完成されている。が、出来上がってみると、どうもつるっとしていて、実車からメカニック感とディテールの金属表面感をベロっと抜き取って、プラスチックで再構成したような感じがします。外形殻は似せられても、車の内部の本質や実物がまとう空気感は キット設計時にそもそも考慮されていない。車のモデルを 内部から つまりシャーシーやコクピット、エンジンから設計して、それにカウリングを被せたのではなくて、タミヤはソリッドモデル的に外形スタイルから設計して、それにおまけでエンジンをつけたような、伝わってくるのはブリティッシュスポーツカーの空気感でなくて、そんなもの。個人的な印象ですが、そんな感じがしました。

製作

最初にボディ塗装を行うのがよいでしょう。塗装する部分はできるだけ接着してしまい、エンジンカウリングも裏からテープでボディに固定して一体で塗装するようにします。そうすれば、塗料の塗り重ねの違いによるムラを防ぐことができます。
グレーのサフェーサーで下塗りし、ボディ裏側は一度つや消し黒に全面を塗ってしまい、乾かしてマスキングテープで保護しておきます。その後で、Mrカラーのグリーン原色をエアブラシで吹き付けました。グリーンは塗り重ねるごとに どんどん濃くなり、最後は黒に近づいて行きます。1回塗る毎に、ヘアードライヤーで乾かし、好みの濃さになったところを確認して、完了とします。



 シャーシーは裏から見える部品を車体下部ブロックに接着し、半つやブラックで塗っておきました。
コクピットですが、ダッシュボード、ハンドル、シフトレバーは好みで、木目調、黒、シルバーなどで塗り分けるとよいでしょう。私は 木目調にしてみました。
シートは赤に少し黒を加えつや消しにして塗り、よく乾いてから 柔らかい布で磨いて少し光沢感を出しました。



エンジンとバッテリーですが、頭に描いたような仕上がりにはなりませんでした。塗装しただけでは、ちょっとオモチャぽくなってしまい、反省。これに配線を施しても、実車らしさは出ないと潔くあきらめ。

タイヤはトレッドのモールドもよく、いいものです。ホイールをシルバーにしたところ思ったよりも明るく、もう少し、クローム調にしたくて、スモークブラックをかけましたが、思ったようにならず、足廻りが軽い仕上がりになってしまいました。これも反省点。



ウインドーとライトなど小さい部品を接着し マフラーはアルミ箔で覆いました。
ウインドーの枠が透明部品と一体で、銀塗装しても少し透けてしまい、実感が削がれてしまいました。
トミーのジャガーはこの枠がクロムのホットスタンプとなっていましたね。
一つここはアルミホイルをウインドーの枠に貼るように一手間かけるべきだったかもしれません。

今回は満足できず 今一つの仕上がりとなりました。
サイドシートに素敵な彼女を乗せて、お先に 海沿いを葉山までドライブへ 
と言いたいところですが、この車のエンジン部では 走りそうにありません。出発する前に 振られてしまいそうですね。



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Vol46 2012 October    www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /editor Hiromichi Taguchi 田口博通
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