さあ、組んでみよう。まず、各部品の合いを確かめる。板に貼ったサンドペーパーで接着面を平らにしてから主翼や胴体を仮合わせしてみると、これが結構よく出来ている。最近の簡易インジェクションキットと同等である。特に胴体下面の冷却器は、胴体と主翼下面との複雑な分割にもかかわらず、問題なく位置が決まる。見事というほかはない。コックピットはお人形さんと座席を一体成形した1パーツのみで、この部品分割のために背部の穴あき板が小さくなっている。これはプラバンで大きめに作りかえる。前述のパーツを使わないと本当に何もないコックピットには、プラバンをL字に組んだだけの椅子を入れておいた。脚は可動をやめる。上側パーツの脚取り付け部分にプラパイプを切って貼り付け、脚柱の取り付け部とする。大きすぎる機銃口は一旦埋め、やや上側に開口させた。 |
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エルロンは本来可動なので左右の隙間が大きい。ここはプラバンを接着して寸法を合わせる。主翼の表面にはカッターで筋彫りを数本追加し、翼端もちょっと削って形を修正しておく。フィレットの造形は、今日のキットとは考え方が違っていた。主翼上面にフィレットがモールドされ、胴体側が平らになっていた。ここには少し隙間が生じたので、瞬間接着剤を数回流し込んで埋めた。水平尾翼は胴体にある穴に突っ込む構造なのでフィレットは省略されているが、これは気にはならない。ラダーも固定して垂直尾翼全体の形を整える。プロペラはしゃもじみたいな形をしているので、それらしく削っておく。文字で書くとかなり修正したように感じるが、このキットが現役だったころは「可動は固定して整形する」「気に入らないところは自分で手を加える」のがモデラーの常識だった。パーツの基本はそのままなのだから、これでも普通の組み方の範囲である。 |