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 エアフィックス 1/72 <新金型>
ノースアメリカン P-51D ムスタング (その2)

by 加藤 寛之


  新金型のエアフィックス1/72ムスタングが無事に完成。評価は「とてもよく出来ているのに廉価な製品」というところ。特に主翼・尾翼といったところが、飛行機らしく・ムスタングらしく出来ている。 しかもピンセットで挟むのも困るような小さすぎる部品はなく、組み立てやすくまとめている。“パーツの多さが技術ではない、手軽に組めることが大切”というメーカーの余裕ある価値観を感じる製品であった。





 先月号の再録のようなところもあるが、気づいた点をあげてみよう。組み図の順にそって箇条書きする。

●プロペラは、表裏の金型の合わせ目の軽い段差を取ること。

●コックピットは胴体側面にモールドを施し、とても簡潔な構成。計器板には計器のモールドはなく、デカールで表現する。完成すると計器板はほとんど見えない。それよりも機内を塗る範囲が重要で、下面の開口部から見える範囲の塗装を忘れないこと。
●機首右側下部に金型の修正跡がある。目の細かいサンドペーパーで擦れば取れる。機首左側面の排気管あたりも修正跡かもしれない。

●主翼を胴体へ組み込む際は、多少の削り合わせを要するようだ。無理して突っ込んで、上反角を弱くしないように注意したい。

●フラップは上下位置の選択式で、私は下げてみた。プラモデル故に、胴体下にもぐり込むところでフラップの一部を切り欠いてあるのだが、その切り欠き寸法がわずかにたりない。仮組みして、ほんの少しだけ欠き部分を広くするとよい。




●主車輪のカバーを開けたときの角度が75°と図に明記してあって嬉しい。この角度は知らなかった。実機では半開きや閉じた状態など、いろいろ写真に写っている。尾輪のカバーの取り付け方法は凝りすぎだから、付けやすいように加工した方がよいだろう。

●主脚周りは感じよく造ってある。脚柱は柔らかな材質が原因で強度不足感があったので、脚カバーとタイヤの間も接着して一体化させた。鑑賞上はまったく問題ないし、強度もこれで安心。脚柱の長さは機体がある程度重い状態で造ってあるようだから、翼下に燃料タンクを付けて重量感をだした方がよいだろう。

●翼下の燃料タンクに右用と左用がある。キャップの位置の違いだが、これって本当?

●ピトー管はデカールを貼った後に付けること。これは当然のことか。
●キャノピーは開閉選択できる。閉じた状態にするときは、風防との接合面を削り合わせた方がよいだろう。またこのキットの場合、風防、キャノピーともに底面をワクなしで接着しなければならず、ここをなるべくスッキリさせたいものだ。透明パーツの厚み部分に機内色を塗っておくとパーツの厚みを感じにくい。風防の接着は流動性が高い流し込みタイプだと胴体との間に入り込んで曇らせるから、私は瓶タイプを少量使い、しかも半乾きくらいで圧着させた。後部のキャノピーは枠と透明部品を合わせておいて流し込みタイプを入れて接着した。

●指定塗装には赤を広く塗る必要があるので、赤にオレンジを混ぜて明るめにした。

●デカールはカルトグラフ製。やや厚いが貼りにくいことはない。主翼の黄帯は両端の角度があっていないが、デカールがやや長めなのでなんとかごまかした。小さな注意書もたくさん付いているのだが、これは私の好みで3分の1くらいしか使わなかった。




 完成した姿は、キャノピー後方の胴体に力不足を感じるが、翼関係の断面形を実機らしく表現できていることから「いかにもムスタング」らしい。しかも組んでいる途中の感じは、昔ながらのエアフィックスに共通する穏やかな雰囲気だ。それでいて廉価、とにかく低価格なのだから嬉しい。  あらためて箱を見たら、このキットはボーイングの許諾下に造られていた。そうか、ノースアメリカン社はロックウェルになり、今はボーイングになったのか。




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