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ポリカルポフ I-16
(レベル ファイターシリーズ 1/72)

by 加藤 寛之



このキットは昭和41年5月発行の『プラモ・ガイド』1966年版の新製品紹介に載っており、優良キットと評されていた。そんなI-16ではあったが、子供にソ連機は不人気だし、そのうえ寸詰まりで小さいとあっては、大人気だったレベル「ファイターシリーズ」の一つにもかかわらずどこの模型店でも売れ残りぎみだった。郡是産業が製造をやめると他社ではキット化されていない希少性から、1991年にはツクダが限定品で一度だけ国内販売したこともあった。
ところが主翼平面形が大間違いであることが判明、加えてハセガワなどからも新製品が登場するなどあって、レベルのI-16は優良でも希少でもお宝でもなくなった。マッチボックスのブランドで売られたこともあったが、もはやなかなか買い手はいなかった。



今回作ったこのキットは郡是産業による国内版。提携終了が1976年だから、まあ40年ほど前の製造品ということになる。郡是産業の金型はアメリカ版なので尾ソリでなく尾輪になっているが、よく見ると尾ソリに円いモールドを彫り込んで改修してあったようだ。
私が所属するプラモサークルS.L.B.の来年度展示会テーマのひとつが「白」。“シロねェ・・・”とかぼやいていたら“ロシア機を冬季迷彩にすればイイじゃないですか”と提案されていたので、今回の製作となった。提案者のO氏も私も、このキットの主翼平面形が大間違いであることなど百も承知、だから修正の必要はなくそのまま「レベルのI-16」を作ったのである。



最初に主翼の上下を接着して、周りを整形する。まず主翼を組む理由は、胴体をどの寸法に組めば良いのかをはっきりさせるゲージを兼ねさせるためだ。胴体パーツは翼部分が大きく切りかかれており、ここが下にすぼまる事後変形を起こしている。処置しないとこれが原因で主翼上面に大きな隙間が生じるので、勇気をだして接着前に胴体をグイ~ッと外側に捻っておく。正面からみて主翼接着面が平らになる程度であり、先に組んだ主翼と合わせてみればよい。 幅が決まったらプラバンで胴体左右を連結し固定しておくとよいだろう。決してエンジン台座に合わせて胴体幅を決定しないことが大切。この後に胴体と主翼を接合するのだが、主翼フレットの前部は主翼よりも薄くなっているので、接着面に0.3ミリ厚のプラバンを付けて厚みをあわせるとよいだろう。



次はカウリングの組み立て。まず、正面パーツと上面パーツを同時に胴体へ組み付ける。その後にカルリングの左右パネルを接着する。接着しなければ完成後にパネルを外してエンジンを見られるのだが、接着して固定が無難。左右パネルの接着は上面パーツ側に位置あわせする。そうすると側面下部に結構大きな隙間があくので、プラバンを挿入して整形しておく。整形は下側の方が目立たないからだ。
水平尾翼は取り付け部分の凸を切り取って整形したほうが、隙間を減らしやすい。接着後、胴体側との線の流れを整えておく。垂直尾翼は先端をちょっと丸めたが、各翼の形がいずれも大違いの状況ではどうでもよいことである。
脚柱は、案外しっかりと組めてガタは少ない。とりあえず脚カバーのフチを薄く削って見栄えを良くした。風防は後部断面を黒塗りしてフチだけに白を塗っている。塗装で断面を薄く見せる工夫である。



 全体塗装は、いつものように超テキトウである。下面は色名の記憶がないライトブルー、上面は成形色の緑色が透けて見えるよう白をムラに塗っている(つまり上面の緑塗装を省略している)。白はムラになるように薄く数回筆塗りするのだか、ここでやっかいなことが起こる。凹みに白が入りこみ、凸部には白がのらないのだ。つまり明暗が逆になってしまう。 したがって、だいたい塗り終わったら、凹部には灰色を凸部には白をのせて、明暗を正常に整える。さらにメリハリを付ける目的で、垂直尾翼前縁、フィレットのカーブ、排気管の周囲といったところに白を追加塗りする。最後に使えそうな赤星と数字のデカールを探してきて貼り、完成とした。



 これは「レベルのI-16」である。そう考えればどこも修正する必要がない。キットをお持ちのみなさん、さあ、貴方も「レベルのI-16」を作りましょう。


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Vol 49 2013 January.    www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /editor Hiromichi Taguchi 田口博通
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