Home  >エンガノ岬沖海戦の小沢艦隊(1) 日本海軍・丁型駆逐艦 「桑」 (タミヤ 1/700)


エンガノ岬沖海戦の小沢艦隊(1) 
日本海軍・丁型駆逐艦 「桑」 (タミヤ 1/700)

製作・解説:R.P.K.

1944年10月18日、日本海軍は残存艦隊を注ぎ込んでフィリピン攻略中のアメリカ・ハルゼー艦隊を空母でおびき出し、戦艦と巡洋艦をレイテ湾に突入させて上陸船団を撃滅すべく「捷一号作戦」を発動する。オトリになる小沢艦隊(第3艦隊)は、瑞鶴、瑞鳳、千代田、千歳の4空母と伊勢、日向の航空戦艦、軽巡洋艦、駆逐艦を擁して10月24日にルソン島北東のエンガノ岬沖へ達し、全ての搭載機を発進させてハルゼー艦隊を攻撃するが戦果はなかった。翌25日の夜明けからアメリカ機動部隊の大編隊が5波にわたって襲い掛かり、空母3隻が撃沈されて航行不能となった千代田もアメリカ巡洋艦隊の砲撃により沈没した。空母の犠牲でハルゼー艦隊おびき出しに成功するが、主力部隊は突入せずに反転してしまう。 1943年夏からガタルカナル島をめぐる激戦により高速駆逐艦も航空機の攻撃で消耗し、量産に適した電気溶接とブロック方式により短期間で建造できる簡易型の丁型駆逐艦が計画され、1944年4月に「松」が竣工して終戦までに32隻が完成した。1944年7月に竣工した5番艦「桑」は最小限の訓練期間で小沢艦隊に編入され、エンガノ岬沖海戦において空母「瑞鳳」を護って敵機と交戦して生還し、輸送任務に就いていたが12月3日にレイテ島南のオルモック湾でアメリカ艦隊と交戦して沈没した。


空母「瑞鳳」に乗艦していた整備兵の戦記を読んでから、この悲劇的な小沢艦隊を1/700で再現するのが長年の計画でした。今までに自分で製図した1/600の「瑞鳳」をソリッドモデルで作り、ハセガワの「瑞鳳」とピットロードの「千代田」を模型誌で製作しましたが、直衛の駆逐艦と軽巡洋艦も作りたくなり参加した第43駆逐隊の丁型駆逐艦4隻のうち、タミヤの「松」を「桑」として製作してみました。 タミヤのキットは出来も良いのですが船体をパテでならし、61cm4連装魚雷発射管や爆雷投射機、探照灯などをピットロードの装備セットに替えてマストをシンチュウ線と銅線で作り直しました。後部マストに13号電探を装備しているかどうか分からなかったので作例では付けていません。ピットロードの「千歳」も製作してあるので、次回にでもすでに製作、発表した他の空母2隻と一緒に紹介したいと思います。


1)  ボートや武装などをピットロードの装備セットから流用して防水扉をプラ板で追加した。



2) 船体の錨装着部や甲板の25mm単装機銃取り付け穴をパテで埋めてから修正する。



3) マストをシンチュウ線と銅線で作り直し、61cm4連装魚雷発射管も装備セットから流用。



4)爆雷投射機と投下軌条、リールも削り落としてから装備セットのパーツを使用した。



5)艦首の12.7mm単装広角砲の防楯にプラペーパーで補強板を追加している。



6)Mr.カラーのC-32軍艦色(2)が横須賀工廠系のグレーに近いので甲板と船体を塗装した。



7)艦橋横の救命浮き輪やボート内部の木部が良いアクセントになるので丁寧に塗装する。



8)今度紹介するピットロードの「千歳」と並べると、全長100mの船体がいかに小型か分かる。



9)戦闘時にほとんどの駆逐艦は後部マストに軍艦旗を掲げている。



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