3色キットの持ち味をいかして組んでみた。私の好きなマッチの作り方だ。初めてマッチのキットを見たのは40年ほど前だったと思うが、その頃の雑誌記事では3色成形は否定的評価だった。そのころの飛行機プラモデルは精密再現の方向へと邁進していたから、多色成形と大雑把な造形、運河のような筋彫りはとても受け入れられなかったということだろう。ところが今の私は、部品数が少なくて個性的造形センスのマッチボックスが大好きだ。お気軽に作って「まあ、こんなものかな」でオシマイにできる、実にのんびりとした製品だからだ。これは子供のころには理解できなかった持ち味なのだが、今では「こういうのってイインだよな」とホントに思うのだ。 |
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さて、この完成品だが、塗装した面積は約半分といったところ。もっと塗り面積は少なくてもよかったのだが、<どこが塗ってあって・どこが塗っていないのか>を分かりにくくするためにわざわざ塗った部分があるので、その分だけ塗り面積が広くなっている。塗装には灰色も緑色も使っているので使った色数が少ないわけではないし、ちゃんと塗った以上に手間もかかっている。私としては「これこそがマッチの目指した理想の色分割表現」と言いたいのだが、多くの方は「手間ひまかけて半分だけ塗るという、全く無意味な模型作りだ」と思うだろう。その通りである。 |