Home  >「チャーチル給与」 (タミヤ 1/35)

誌上個展

「チャーチル給与」 (タミヤ 1/35)

by オンケル・ハイニ

まいど、浪速の雑食モデラー、ハイニでおます。

第2特集が「連合軍AFV」という事なので、タミヤの1/35 M-3「グラント」をディオラマ仕立てにして見ました。
クラッシュしたM-3戦車から、水や燃料などの「チャーチル給与」の徴発に励むアフリカ・コ-アの兵士を再現しました。




んで、ディオラマのお題も『チャーチル給与』まんまです。
M-3「グラント」はWWⅡ初期に米国が英軍に供与した車輛で、米陸軍が採用していたM-3「リー」中戦車を英軍仕様に改修したものです。
当時の英軍戦車の火力は小口径の物ばかりで、射界が制限されてはいるものの37.5口径75㎜砲の威力は英軍兵士から非常に喜ばれたようです。




相変わらずM-3自体はかなり前に制作したもので、今回新規で作成したのはディオラマのベースとドラゴンのフィギアになります。




まずタミヤのM-3「グラント」ですが、非常に古いキットで多くのパーツが米軍のM-3「リー」と共用しているため、問題の多いキットではあります。
まず第1には上部砲塔で形状、特に平面形に問題があります、キットのままでは車体上部のハッチが砲塔の干渉によって開きません。
そこで、砲塔の内側にエポキシパテで裏打ちして右側面、後面、上面を中心に削っていきます。




ちょうど1/35スケ-ルの図面が「戦車マガジン」にあったので、図面に合わせながら、ひたすら削りまくります。
後面と右側面はほとんどプラの部分が無くなるまで削り、形を整えていきます。
砲塔前面右上の発煙弾の発射口は1.2㎜のプラ板でカバー付きのタイプにしました。




続いて車体後部の形状が異なっている(キットは多分M3A5)ので、図面を参考に修正します、幸い比較的単純な形状ですのでさほど苦労なしで修正できました。
また、車体後部上面の雑具箱も英軍仕様に…、更にサイドスカートと側面のラックを新作しています。
他にも車体前面の形状とか足回りとか、問題点は多々あるものの、きりがないので基本形の改修はこの辺で切り上げました。




車体内部にはエンジンルームの一部と、75㎜砲の装填部、砲塔の下部構造物などをでっち上げています。
更に車体後部右側面に小口径の徹甲弾の貫通口を開けクラッシュモデルとしました。
ピンバイスで穴をあけ、リューターで削ってそれらしく、また付近のリベットを削り落しピンバイスでリベットの抜けた穴を開けています。
命中位置が燃料タンク部なので、本来なら炎上してしまうのですが、この車輛は燃料をほとんど使い果たしていたので、炎上を免れています(ご都合主義!)。
塗装はサンドイエローにダークグリーンの雲型迷彩としました。




ディオラマのベースはスチロール板を適当な形に切り抜き、グンゼのMr.情景クレイを盛り付けた上に、鉄道模型のバラスを撒き木工ボンドを薄めたもので固定し、更にクレイを水でベチャベチャに薄めたものを塗りつけた上に情景パウダーを撒いています。
結局、仕上げの塗装をしてしまったので、情景クレイを使う必要があったのかな?と、いう疑問も湧いては来ますが、硬さとか、伸び具合だとか良い感じではありました。




フィギアはドラゴンのアフリカ・コープスで、基本的にはキットをほぼストレートに組み上げています。
ただ、軍服の色は少々指定から変更しています。
以前、ほぼデッドストックのアフリカ・コーアの上衣を見せてもらったことがありますが、かなり濃いオリーブグリーンで、それが洗濯と砂漠の強い日差しでサンドに褪色して行くとの事でした、その上鹵獲した英軍のシャツやグルカパンツなどを着込んでいたり、時期によって支給される自軍のユニフォームの色目が変わったりと、かなりばらついています
今回作成したフィギアも各自変化を付けて塗り分けてあります(適当またはいいかげんともいいます)。
最後に足の裏に真鍮線を埋め込み、ディオラマに真鍮線を差し込んでフィギアを配置し、ジェリ缶や木箱などの小物を置いて完成です。


  Home>「チャーチル給与」 (タミヤ 1/35)

Vol 57 2013 July    www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /editor Hiromichi Taguchi 田口博通
  無断転載を禁ず  リンクフリー
「webモデラーズ について」

特集2


TOTAL PAGE