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イギリス博物館めぐり(その36)
シェルバ C.30A ロタI オートジャイロ (Cierva C.30A Rota I autogiro)

小柳 篤司    コヤナギアツシ       . 

 オートジャイロとはスペイン人のフアン・デ・ラ・シェルバが開発した、回転翼で揚力を得て飛行する回転翼航空機の一種です。
 機体上部に回転翼を装備しているので、一見するとヘリコプターに似ているが、ヘリコプターと違い巡航中は回転翼に動力は伝わらず、前進推力で自由回転する回転翼で揚力を得る。ヘリコプターと違い空中停止は出来ないが、ヘリコプターより機構が簡単で短距離離で離着陸出来る為、本格的なヘリコプターが実用化前の第二次大戦前に、アメリカ、フランス、ドイツ、日本等、世界各国で開発された。オートジャイロは短距離離で離着陸出来ても速度が固定翼機より遅い為、滑走無しで離着陸出来るヘリコプターが実用化された第二次大戦後は、実用機として廃れたが機構が簡単な為、現在はホームビルト機として残っている。
 
スペイン人のフアン・デ・ラ・シェルバ氏は、第一次大戦後の1919年からオートジャイロの開発を始め、固定翼機と同じ様な主翼と尾翼を備えた試作機シェルバC.4は1923年1月9日に初飛行した。1926年にイギリスでシェルバ社を設立し、初の実用型シェルバC.19を開発した。この型から離陸前にエンジン出力をクラッチを介してローターを予め回転させる機構が備わり、より短距離で離陸可能になった。1934年から開発されたシェルバC.30は主翼が無くローターだけで揚力を担い、ローターの回転面を傾けて操縦する様になり、今日のヘリコプターに近い性能を得た。
 シェルバC.30はイギリス空軍に採用され、第二次大戦中はレーダーサイト点検の任務に就き、ダックスフォード空軍基地には1940年7月から1942年4月まで、配備されていた。

撮影時期:2010年7月
撮影場所:ダックスフォード戦争博物館
http://duxford.iwm.org.uk/


写真1 機体の左斜め前。



写真2 機首部分。



写真3 機体の右側面。



写真4 アームストロングシドレー・ジャネットメジャー1A(140hp)を装備しています。



写真5 ローターマスト。



写真6 ローターマスト。



写真7 尾翼と尾輪。



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