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フォッケウルフ Fw-190 A-8
(エアフィックス 1/72)

by 加藤 寛之



 エアフィックスの新製品である。先日、「ワールドホビーショップはせがわ」に行ったときにグラジエーターと一緒に紹介され、こちらを購入した。  即席で作ったので、実質12時間くらいで完成した。



 パーツは3ワク+透明ワク1。材質は非常に柔らかくて加工しやすいが、ややモロい。
 デカールはカルトグラフ製で1種。ノリの品質、発色はよい。キット価格は国産の半額、標準的には750円くらいだろう。デカールにキットが付属している、と思っても納得できる値段だ。
  デカール



・ 主翼は左右一体の上下分割。この分割は上反角が決まって成形されているので、好ましい。

・ 主翼前縁に少々ズレがあったが、材質が柔らかいので通常の合わせ目を消す作業で済んだ。

・ 主翼後縁がとんでもなく厚い。作例は下面を削り上げて薄く見せた。

・ 機銃は事前に翼内に組み込む方式。作例は組み込み後に切断、真鍮線に置き換えた。
主翼部品


・ コクピットは基本を押さえてある。単純なので、コックピットで疲れることはない。

・ 胴体幅はコックピットと排気管パーツで決まる。バリや抜き勾配を取り、左右胴に密着させる。胴体幅は広げないように、かつ強固に付ける。これがコツ。

・ 胴体の組み順には各人で工夫が必要。私は、胴体前端の取り付けベロを取ったうえで 
 ①後胴を接着 
 ②コックピットを胴体に接着 
 ③排気管パーツを側面部分で接着 
 ④風防前部部分の胴体を接着 
 ⑤胴体前端の上部だけを接着
 ⑥上部前側パーツを接着
 ⑦上部後側パーツを接着
 ⑧胴体先端パーツを挿入し下側で閉じるようにして接着 とした。
①以外は瞬間接着剤を使った。“なんでこの順?”と思う方は購入して組んでみてください❤。
コクピット部品




・ とにかく、思ったようにすぐには組めない。“ここかな?”カリカリ・・・、これが必要。

・ 主翼は外翼に捻じり下げがついているので上反角が弱く見える。図面と比較すると合っており、桁位置は真っ直ぐでダレていない。つまり、ちゃんとできている。でも、胴体を組むときに幅をイイカゲンにしたり、主翼と胴体の組み付けで手抜きをすると、上反角が不足しそうだ。

・ 水平尾翼はうまく付く。

・ 垂直尾翼は前縁がきれいな流線型になっており、胴体からの流れも感じがいい。




・ 風防は前後別パーツ。開閉が選択できる。

・ 主脚は丁寧な整形が必要そうだ。私は超テキト~に整形した。支柱もテキト~に付けた。

・ スピンナーは金型のキレが悪いので要整形。プロペラの形はよいと思うが、付根は要整形。

・ タイヤは自重変形形状でイイ感じ。主脚を主翼に固定してから角度を確かめて接着しましょう。

・ 尾輪は付根が板状なのでしっかりしている。




 感想としては、「自分で組んでいる」感が濃厚な製品である。パーツ精度そのものは、国産の優秀キットと比べると実にお粗末な部分が多い。ほんの少しの作業や工夫は随所に必要だ。これを面白いと思うか、出来が良くないと思うかは、個人の意識による。ところが、出来上がった姿はまことに力強い。72とは思えない迫力がある。図面では表現しにくい造形が生きているのだろう。風防前のパネルには無骨感があり、カウリング側面の丸め方は巧みだ。外翼はガクッと前縁を下げている。写真で見るFw190の印象が形になっている。このキットの最大の見所は、完成した全体の姿だ。  私の結論はこんなところ。
「金型精度が高いとは言わない。でも作る価値あり。自分で考え、自分が主体で組んで行く過程がある。出来あがったとき、机上には力感をもったFw190がある。」


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Vol 59 2013 September.    www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /editor Hiromichi Taguchi 田口博通
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