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誌上個展

メッサーシュミット ME-109E
(レベル 1/72)

by 加藤 寛之




 メッサーシュミットは「Me」である。当然である。今回作ったキットは、ファイターシリーズのなかでも名キットの誉れ高い「メッサーシュミット ME-109E」である・・・とか書いてはみたが、このキット、金型がボロボロだ。子供が買って、これを作っていたとは信じがたい。今なら不良品である。 今回、当Web誌の特集にあわせて10日ほどかけて新造した。100円当時の郡是産業版「お宝キット」だけれども、自分で作るのだからもったいないことはない。実は10日もかかったわけでなく、正味は2日間くらい。簡単なキットなのだ。あとは暑くてやる気がおこらなかっただけ。




 箱を開ける。少ないバーツが、ゴチョっとビニール袋に入っている。開封し、箱を裏返してなかにあけてみると、もうバリの集合体だ。簡単にパーツを点検して、揃っていることを確かめる。胴体や主翼といった主要部品をニッパーで切り落として、仮組み・・・は、バリが邪魔でできない。しかたがない、各パーツを整形しながら組み進める。右胴体は事後変形で高さが足りないので、腕力で修正する。胴体の合わせ目はガタガタだから、大雑把に削って少量のパテで修正すればよい。機首下面の吸気口は湯流れ不良で形になっていないので、そこをプラバンに置き換えて整形だ。主翼は胴体を置くところの幅が広くなりすぎないように充分な擦りあわせをして、上反角をつければちょうど良くなるように調整する。 主翼などの表面にある金型傷は、無理しない範囲で整形しておく。翼下面の冷却器は表面がクタクタなので削っておく。キャノピーは胴体側にプラバンを貼って後胴と高さを合わせる。アンテナ柱は真鍮線に置き換えて位置も修正しておく。胴体右側のキャノピーと接するところに孔があいているので、埋める(イギリス版の可動キャノピーのヒンジ受けだろう)。スピナーは変形がひどいのでプラバンを挟んだが、その分、長くなりすぎた。水平尾翼は取り付け部分のベロを切り落としてよ~く削り合わせる。主翼の機銃は真鍮線に置き換える。まあ、こんな感じだ。




 塗装は上面がダークグリーンとブラックグリーンの折れ線迷彩、胴体側面と下面はペイルブルーで、胴体側面にはインクスポット・・・というのが、このキットが現役であった当時のドイツ機塗装である。私はマルサンのプラカラーで原色くらいしかなかった当時からの色塗りモデラーなので、全部、当時は混色していた。マルサン制作の色見本のペラ刷りを何度か模型店でもらったが、もらう度に同じ色でも大差があるし、そもそも見本にとりあげた色の数が少なすぎる。だからカラーチップが付いていた「プラホビー」紙は唯一無二の絶対的重用資料であった。 今回はさすがにプラカラーではなく、キット指定のレベルカラー・・・でもなくて、その後継のタカラ製レベルカラーでもなくて、独自ブランドになったグンゼカラー・・・現行名GSIクレオスMr.カラーの既製色で塗った。考証などせず、キット指定に記憶と想像をブレンドして塗ってある。デカールは、キット付属品を貼った。ちょっとモロくなっていたが使えた。ただしとんでもない版ズレだったので、貼ってから切ったり塗ったりしてごまかしてある。スワスチカもキットのものである。




 この記事は、完成品をあらためて眺めながら書いている。なんか変な感じのメッサーシュミットみたいに思ったが、30分も見ていたら慣れてきた。そして、いかにもドイツ機という塗装にも魅力を感じてきた。「楽しかったか」と自問すれば、確実に「楽しかった」。それでいい、プラモデルは作って楽しければいいのだ。 ●追記:「プラホビー」は、最初は新聞の形だったので「紙」と書いておいた。途中から冊子形態になった。そのころになると色見本も一段と感じが良くなっており、今見てもイイ感じである。

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Vol 59 2013 September.    www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /editor Hiromichi Taguchi 田口博通
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