珍キットである。しかも「ハセガワ」製である。店頭に並んだのは、ごく短期間であった。普通ならば「お宝キット」と言われそうだが、ちょっとムリ。やはり「珍キット」が似合っている。
アメリカの砂漠基地で秘密の飛行機が飛んでいる、そんなウワサがあった。テスターが想像プラモを発売すると、「よく出来ている」と言われたとかで爆発的評判となり、早いもの好きのイタレリをはじめレベル、モノグラムといった一流どころも、国内ではアリイも独自見解の製品を発売した。 |
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そしてついに、レーダーに映らないナゾの飛行機の写真が発表されたとき、飛行機の既成概念では理解できない、ガキガキした寸詰まりの黒いお面のような形に世界も私も驚愕した。想像で発売された曲面仕上げのナゾの機体とは、正反対な形だったのだ。ところがこの写真は全長がつまって見える角度を選んだものであることを伏せており、実機はむしろ前後に長い機体だった。そうとは知らずにいろいろな推定図が現れ、ハセガワも寸詰まりに見える実機写真に基づいたプラモデル化を試みた。それがこれである。商品名はステルスファイターであって、飛行機の名前ではない。お値段1200円也。 |