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マニアホビーの九九軍偵と九九双軽

日本陸軍九九式襲撃機と九九式双発軽爆撃機(旧マニアホビー1/72)

解説：R.P.K.

　1960か70年代だと思うが東京都葛飾区水元のマニアホビーから、内部も再現され豊富なデカールが付いた魅力的な日本機キットが発売されました。1/72スケール2機セットの99式軍偵察機・襲撃機、97式司令部偵察機・神風号、97式I号・III号艦上攻撃機、単体の99式双発軽爆撃機、1/48スケールの97式戦闘機の当時では珍しく地味でマニア好みのキットばかりでした。

残念ながらマニアホビーは倒産して、ハセガワから自社ブランドとして発売されましたが、デカールが2種になり99軍偵はキャノピー正面が照準器に上から被せる穴が開けられてしまいました。今回の日本陸軍機特集に合わせ、地上部隊に協力して偵察や攻撃に活躍した三菱99式軍偵・襲撃機と、400kgの爆弾搭載量ながら軽快な運動性を生かして緒戦の進撃を支えた99式双発軽爆撃機のマニアホビー製キットを作ってみました。

■三菱99式軍偵・襲撃機

陸軍が1938年から使用して来た川崎93式(キ3)と三菱97式(キ30)単発軽爆撃機に続き、新型低空攻撃機の開発が三菱に命じられ、胴体内爆弾倉を廃止した軽快で実用性の高い99式(キ51) 軍偵察・襲撃機として1939年に採用された。生産中に燃料タンクのゴム貼り防弾化や武装強化がはかられ、中国大陸や太平洋戦線、ソ連軍への攻撃に敢闘している。

マニアホビーから発売されたキットは、資料を調べると内部や風防枠のミスもあるがコンパクトで運動性の良さそうな機体になっている。主翼の前照灯や各ライトをクリアー化して固定機銃とアンテナ柱をシンチュウ材に替え、ハセガワ版デカールを使用して1944年ニューギニア島へ侵攻したアメリカ軍が、ホランジア飛行場で捕獲した飛行第10戦隊第1中隊機とし、特徴あるスプレー塗装を再現してみた。

A)　2機入ったマニアホビーと、再版され風防前部が切り欠かれたハセガワのキット。

A-1)　プロペラをシンチュウパイプで回転できるように改造して始動フックも作る。

A-2)　尾灯と編隊灯をクリアー化して、黒テグスの空中線を張った。

A-3)　胴体側面の偵察用観測窓のクリアーパーツを胴体となじませる。

A-4)　胴体下面カメラ窓を胴体と良く調整し、15kg小型爆弾12発を搭載した。

A-5)　丸メカニック35などの資料を見て内部に手を入れ、脚と爆弾を塗装しておく。

A-6)　風防は切り欠きのないマニアホビーのパーツに照準器の穴を開けて使用した。

■川崎99式双発軽爆撃機I型

　1940年に採用された川崎99式双発軽爆撃機(キ48-I)は、爆弾搭載量400kgと少ないが中国や緒戦の南方侵攻に活躍し、1943年から高空性能向上のため2速過給器を装備したエンジンに換装したII型が配備され、ニューギニアやフィリピンなどで夜間攻撃に活躍した。

マニアホビーの99式双軽I型キットはコクピットや銃座がパーツ化され、5種類のマーキングが選べて独特の｢おたまじゃくし｣と呼ばれた機体が作れる。丸メカ16の資料を見ると内部のミスがあり、II型後期に装備された後方連装旋回銃になっている。組み上げるとあまり見えないが内部を改修してライト類をクリアー化、アンテナ柱とループアンテナ、ピトー管をシンチュウ材に替えた。1940年にマレー方面で地上軍の進撃を支えた飛行第75戦隊とし、方向舵に｢つくば｣や｢かが｣などの地名を記入して固有機の標識としている。

B)　5種類のマークとカラー塗装図の入ったマニアホビーと、デカール2種のハセガワ版。

B-1)　エンジンナセルや主翼、胴体にある航法灯などは全てクリアーパーツで作り直した。

B-2)　飛行第75戦隊の｢かが｣を手書きし、実機の写真を見て濃密な迷彩を再現した。

B-3)　側面から見ると確かに「おたまじゃくし」のような形状をしている。

B-4)　下面後方銃座を閉じて瞬着とペーパーでなじませスジ彫りし直す。

B-5)　内部はミスも多いが風防を取り付けると見えないので適度に修正した。

B-6)　鳥かごのような風防の枠は内部色を濃く塗ってから明灰白色で上塗りする。

B-7)　味方識別用に主翼前縁を黄橙色に塗り、胴体後部に外戦標識の白帯を記入している。

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