今年の夏、スタジオ・ジブリの「風立ちぬ」を見ました。映画だけでなく、主人公の堀越次郎さんもいろんな雑誌で大きく取り上げられたのはついこの前のことでした。映画では堀越次郎さん設計の九試単座戦闘機が、海軍の要求を上回る性能を発揮する飛行シーンが出てきます。このシーンが頭に焼き付いていたのか、丁度仕掛品の中にファインモールドの九六式一号艦戦(1/48)があるのを思い出し、再び取り出して製作に取り掛かりました。それが、このキットが完成に至ったいきさつです。このキットは、プロペラ、エンジン、座席、操縦桿などの部品がホワイトメタル製の限定版で、そのままお蔵入りはもったいなく、完成に至ることができたのはこの映画のおかげと感謝しています。 |
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この映画の影響か、同じメーカのファインモールドさんから九試単戦のキットが最近発売されたようです。このキットは全体のシルエットは正確で、パネルラインの筋彫りも繊細に彫り込まれています。ホワイトメタル製の部品もキットの仕上がりを引き締めてくれます。比較的パーツの合いもいいのですが、機首の機銃カバーとその下の前胴部との接合に課題があり、パテを盛って胴体ラインを修正しました。一方デカールは昭和13年に中国大陸で使用された第12航空隊と第13航空隊の機体用のものが付属しており、発色も表面への馴染みも優れたものでした。紹介するキットでは第12航空隊の銀塗装の機体に仕上げています。 |