Home  >エンゼル インターセプター (エアフィックス 1/72) Angel Interceptor (Airfix 1/72)

誌上個展

エンゼル インターセプター (エアフィックス 1/72)
Angel Interceptor (Airfix 1/72)

by 加藤 寛之



 Webモデラーズ特集のために作ったのではない。偶然にそうなっただけで、世の中では別の所で同じような事を考える人がいるという見本みたいなものだ。でも出来ちゃったから、それならばと思い投稿を決めた。
 このキットを初めて店頭でみたのは、まだ子供のときである。「なんでエアフィックスが、こんなふざけたキットを出すんだ!」と純真な私が思った記憶がある。
今は「エアフィックス、偉い❤」で180度転換してしまった。カタログで再販を知り、「ワールドホビーショップはせがわ」の店主さんに聞いたところ、「仕入れません」。そりゃそうだろう、で注文して入手した。エンゼル機はイマイ製が入手困難だから、この機を逃してはならないのだ。
 



 部品数23個で、飛行機キットの通常の分割になっている。ただし金型はひどい状態だ。もともとそれほど真剣に作っていないみたいだし、そこにエアフィックスの甘さと経年の傷みが重なったから、症状は重態である。部品一つひとつを整形し、それらしい形にしてから組み始める。脚収納庫はもともとないし、エンジンもない。 コックピットは椅子と人形、他と兼用の計器盤だけだから、整形後はどんどん接着できるのが楽しい。ただし人形はいつものエアフィックスと共通で、心理的にオジサン人形に見えてしまう。この機には男性を乗せてはならないから、絶対に使わない。

 

大きなパーツの合いは当然のごとくダメなので、これに手間をとられる。基本的に削って合わせたがさすがにパテなしは無理で、くぼみを埋めるために少量だけお世話になった。上面側はなんとかしたが、下面側はまだキズが残っているが気にしない。ここで手間を省くから、早く完成できるのだ。合いが悪いなかで前翼、主翼、水平尾翼のバランスをとるのは大変で、まあOKか、の程度でよいことにした。  前脚は垂直に出ているのが正しいと思うのだが、僅かに後傾させてカッコよくしてみた。興味をもったのは尖った機首パーツで、キットはものすごくダルイ太さを持っている。「なんだよ、これ!?」と思ったが、すぐに分かった。これは子供が作ったときの安全のためなのだ。「これで不満な方は、どうぞ削ってください。気になるほどの方は、それが出来る方です」というメーカーの声が聞こえる配慮である。さすが、エアフィックスだ。私は強度を考え、それなりにだけ削った。



 塗装は、機体色の白にGSIクレオスMr.カラー№69の「グランプリホワイト」を使った。これをやや厚めに塗り、乾燥後に2000番のサンドペーパーで軽く擦ってモールドの凸線を浮き出させた。地色がやや厚塗りの方が、擦ったときに安心というわけだ。この後に、№62「つや消しホワイト」で目立たせたい角をスッと塗る。 この作業をすると、少しだけだかメリハリが出てシャープに見える。ほんの1~2分の手間だが、効果はある。デカールは金色も使った豪華仕様で、上質なもの。とても気持ちがいい。最後にトップコート「半光沢」をシュワーっと噴いて完成とした。



 眺めてみると、実在感がある。これは架空機ではない、この目でテレビで見たから実在機なのだ。しばらく前に本誌に掲載していただいたF-15の試作機だって、私は雑誌でしか見ていないが実機があることを少しも疑っていない。 エンゼル機は毎週テレビで見ていたから、これはもう間違いない。これは実機の1/72なのだ。



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Vol.63 2014 January.    www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /editor Hiromichi Taguchi 田口博通
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