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webmodelers発行人からご挨拶

月刊 webモデラーズ  創刊5周年によせて

webmodelers発行人 田口 博通

 Internet無料模型誌 月刊「webモデラーズ」 が本号で 創刊5周年となりました。
通巻64号を数える本号まで おかげさまで休むことなく毎月続けてこられたのも 読者の皆様とボランティアライターの皆様のご支援の賜物と 厚く御礼申し上げます。
 

 プラモデルの趣味を続けて50年余り、思い返せば そばにはいつもプラモデルがあり、趣味のクラブの仲間もおり、現在では月刊「webモデラーズ」を通した知己もでき、このプラモデルという趣味が人生を楽しい豊かなものにしてくれました。感謝の気持ちでいっぱいです。
 
 そのプラモデルへの感謝の気持ちを形にし、プラモデルの世界の楽しさを皆様にもお届けしたいと思い、スケール モデルと 実機写真 を中心としたプラモデル雑誌を発行してみたいという夢がInternet技術の発展で形になり、Internet模型誌の形でwebモデラーズを刊行したのが2009年2月 5年前のことでした。
 それゆえ、一貫して「多様なプラモデルの多様な楽しみ方」というのがwebmodelersの方向性です。さまざまなジャンルのプラモデルを、 無塗装、素組から フルスクラッチまでと できるだけ幅広く掲載する方針で創刊以来 続けてまいりましたが、今後もぶれずに行こうと考えております。

 おかげさまでwebmodelersはこの5年間で、バックナンバーコンテンツ数1700を超え世界最大規模となりまして、今年中には2,000コンテンツを越す見込みです。月間TOTALページビューも先月1月に82,000PVを超え,年間100万PV規模となってまいりました。 それゆえ、読者の皆様がバックナンバーのコンテンツアーカイブを快適に検索できる方法を導入するのが、これからの課題です。


 私共の少年時代はプラモデルが輝いており、ほぼ全員が一度は通過する趣味だったと思いますが、現在の日本のプラモデルは、ユーザーの減少、地域プラモデル販売店の減少が続いています。 今や、塗料すらも近隣地域では手に入らなくなり、遠くの都市まで出かけるか、通販に頼るという時代になって来ました。
 なんとか、マイナスループをプラスに持っていくことはできないのだろうか。もう一度、プラモデルを輝かすことはできないか、 webmodelersにも微力ながら活動できることはないか と 考えています。その一つが地域プラモデル店の皆様への無料広告欄の設置ですが、他にいくつかの活動も思案中です。皆様からも忌憚のないご意見をいただければ 幸いです。
  


 この場をお借りしまして、少し最近 気になっていることを書いてみたいと思います。
 最近の日本製プラモデルはモールド部品の合いもよく、実物の縮尺スケールモデルとしてもよく出来ていますが、一度プラモデルを手に取った層がリピーターとならないといったことを よく聞くようになりました。作るのが難しく面倒で 楽しくないとのことです。
 趣味の世界は楽しくなければ 続きません。 
楽しくないプラモデルを売るつもりはプラモデルメーカーには無いでしょうから、メーカーさんからユーザーへのコミュニケーションがうまくいってないのではと思うのです。

 プラモデルは モールド部品と、箱絵、説明書の3点が一体となった商品ですが、その基本認識が日本メーカーにあるのか?と それも気になります。
 
 日本のプラモデルは箱絵も魅力的だし、モールド部品も精密で素晴らしいものが多いのに何故 リピーターが育たない? 何故 完成が難しい? 刷新シリーズで元気な最近のエアフィックスや 韓国メーカーの製品を観察すると、やはり説明書に違いとヒントがあるようです。

 そういう目で見ると 日本メーカーの説明書は画だけで言葉が極端に少なく、無味乾燥、不親切で、プラモデル歴の長い我々すらも読解に苦労するものが多いのが実情です。最近の日本製プラモデルを作るには辛抱や苦痛も伴うのが正直な感想です。
 これでは ニュースや流行映画の影響などで たまたま初めてプラモデルを手に取る一般の方々が難しくて、2度と作ろうとは思わないと感じても仕方が無いことでしょう。
 
 説明書はメーカーから顧客への最大の直接的なコミュニケーションの手段ですが、メーカーに顧客コミュニケーションをとる気持ちがあるのかと時々に疑問になります。
今、工作し、取り付けている部品は何という部品か、わからないで作っているほど一般の人にとってつまらないことはありません。最初は 最低限のコミュニケーションでも結構ですから、日本のメーカーに改善をお願いしたいのが まず説明書です。

 流行の零戦プラモデル 1/72説明書を例を挙げれば、図毎に下のような表題をつけてもらってもいいのですが、それすら無いのが現状です。
コクピットの組み立て、エンジン、プロペラの組み立て、
胴体の組み立て、主翼の組み立て、胴体へ主翼の取り付け、増槽 etc

 メーカーさんにはそんなごく基本的なことが と聞こえるかもしれませんが、最近は、プラモデルというと ガンダムしか作ったことがないという人も増えており、言葉がわからなくて 主翼のことを大きな翼、尾翼のことを小さな翼という人もおられるのです。ましてや、計器板、操縦桿、増槽、脚柱などという「専門用語」は 一般には使われていないのが実態です。新しい知識や用語を覚えるのも趣味の世界では大変モチベーションが上がる楽しいことです。

 メーカーの方々も説明書の作成が最後の工程になり、時間の無い中でやっつけ仕事になりがちなのも理解はできますが、克服が必要です。説明書は付属品ではなく、顧客にとってのプラモデルはモールド部品と、箱絵、説明書の三位が一体となった商品なのです。
 既に廃業したプラモデルメーカーの名作と言われるプラモデルには 狭い紙面の説明書に 社員の皆で心血をそそいだ製品を、ユーザーに楽しんで無事に完成してもらおうという説明書の書き手の熱意と誠意を感じるものも多かったのです。
 今年の目標は プラモデルメーカーさんにコミュニケーションのあり方、説明書の改善を訴えていきたいと思います。まずは、コストUPが最少で済み、できるところから、一緒に刷新してみませんか

 

 一人だけの力では 到底 ここまで続けてこられなかったと思います。ご寄稿されるボランティアライターや誌上個展の作品と記事をよせていただく方々と、毎号楽しみに読んでいただける読者の皆様のお力添えで ここまで続けてこれました。本当に心より お礼申し上げます。
 次の世代のできるだけ多くの人達に プラモデルの楽しさのたすきをつなぎたい。そういう思いを込めて、これからも プラモデルの楽しさを工作ヒントや参考になる実機の資料、資料記事も合わせて 毎月発行してまいりますので、ぜひ これまでと変わらず かわいがっていただきたく、よろしくお願い申し上げます。
  
 読者の皆様の中で プラモデルの製作記事を書いてみたい、誌面で自分の作品を発表したいというモデラーが居られましたら、どんな形でも結構ですので、いつでも ぜひ気楽に ご投稿をお願い申し上げます。


                                         2014年2月1日

            月刊 webモデラーズ [webmodelers] 発行人   田口 博通
                                


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Vol64 2014 February   www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /editor Hiromichi Taguchi 田口博通
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