今回50年ぶりに製作してみて気づいたことが三つあります。このキットは垂直尾翼が小さいタイプなので増加試作機か彗星12型の初期の機体をモデルにしていること。脚を引き込み可動にするために主脚カバーの胴体側につくカバーを省略していること。最後に全面凹みの筋彫りがなされていることです。60年代中ごろでこれはすごいですよ。エルエスという会社の見識と技術力が垣間見れます。無論当時のキットですから各翼の後縁が厚いとかはめ合わせに難があるとかイチャモンはいくらでもつけられますがこの時代の日本のキットとしては最先端を行っていたと思いますね。 |
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なにしろ可動部を取り入れながらも全体のフォルムを崩さずに仕上げていることが立派です。当時の日本のプラモデルはあくまでもその機体に見えるという「~もどき」が多かったのですから。どっから見ても立派な彗星で子供のおもちゃとスケールモデルを両立させています。この姿勢はエルエスのその後のキット零戦21型や52型でピークを迎えます。オール可動のおもちゃなのに当時最も零戦のフォルムを捉えたキットとしてわずか100円で購入できたのですから。 |