Home > 1929 ベンツSSK (グンゼ 1/24)  1929 MERCEDES BENZ SSK (GUNZE 1/24)

誌上個展

1929 ベンツSSK (グンゼ 1/24)
1929 MERCEDES BENZ SSK (GUNZE 1/24)

by 田口博通 Hiromichi Taguchi




 メルセデス ベンツ SSKは フェルナンド ポルシェによって設計された歴史的な 2座席スポーツカーです。エンジンは SOHC 6気筒、6789cc で レース用のSSKの最高速度は200km/hに達し 37台生産されています。
 今でも人気を博する理由は、その優美な曲線のボディスタイルと大排気量エンジンを内蔵する高いボンネットとのバランスでしょうか。
 ポルシェによる工業デザインの極地、非常に美しいスポーツカーです。
 ベンツSSKが日本で有名になったのは、アニメ ルパン3世の愛車としてで、実車写真よりも アニメの中で見た経験がある方の方が多いかもしれません。ただしアニメ中の車は フェラーリV型12気筒エンジンを搭載し、最高時速300km/hを実現させているとのことで、純正ベンツではありません。もちろん 純性ベンツSSKでは ハンドルが取れてずっこけるといったことも ドイツ車の破格の堅牢さからして ありえるはずも無いですね。



 ビンテージカー特集に合わせて、グンゼ産業から 国内版として発売されていたベンツSSKを モスポールから解いてみました。実は 4年前にヤフオクで思わずポチッとしたものの、作る機会がなく そのままお蔵入りになっていたものです。
 グンゼ版としては絶版になっていますが、このキットは現在でもリンドバーグブランドで発売されていて 店頭で入手可能です。
 エンジン、シャーシーが再現されていて、メッキパーツが多く、精密モデルというよりも豪華なミニチュアカーの飾り物的雰囲気の佇まいになります。
 上級者向けとなっていますが、12ページの日本語の丁寧な説明書がしつらえられていて、製作は簡単で プラモデルの組み立てを存分に楽しむことができました。



製作

 カーモデルの定石どおり まずボディ塗装から入ります。ボディは 仮組をして合いを確認した後、先に塗装してしまいます。箱絵の通り、フェンダーをRED,ボンネットとボディをホワイト、シートを艶消しブラックで塗装しました。  ボンネットにはストラップがモールドされています。本当は除去したい所ですが、周囲のルーバーのモールドを崩さずに削り取るのは大変なので そのままとしました。



 エンジンはメッキ部分を残しながら、グリーンに塗装しています。メッキが厚いので豪勢な雰囲気に浸れます。   シャーシーは一体成型でホワイトに塗り、エンジンを組み込みます。その後でコクピット床を取り付けるようになっています。
 フロントアクスルやリアアクスル、スプリング類は別部品で再現されているので、丁寧にバリ取りをして組み立てて行きます。部品点数が多いので 実車のシャーシー構造を理解しながら、かなり楽しめます。




 ラジエター、防火壁、ダッシュボード、フロントフェンダーを取り付け、排気管側のボンネットパネルを取り付けます。これでやっと 特徴的な3本の排気管を取り付けられるようになります。 ボディを取り付け、4輪を取り付けます。この後、完成に向けて ヘッドライトやバンパー、フロントガラスを丁寧に艤装して行きます。



完成

 ボンネットストラップは100均で買った合成皮と洋白線で自作してみました。32飛行機のシートベルトよりは大きいので簡単です。
 アクセントとなるステアリングホイールとダッシュボード、シフトノブは豪華さを更にアップするために木目塗装としてみました。 
 飾り物的雰囲気を大事にするために今回はやっていませんが、ラジエター、排気管やホイールのメッキ部品にエナメルつやあり黒でスミイレをするとシャドーが出来て、カーモデル的な精密感が増すと思います。また、ラジエターのネットは腕に覚えのある剣豪の方は金属網で自作されると良いでしょう。




  ビンテージカーモデルの作り方は色々あり、ウイングローブ的な精密さを目指すも良し、テレビボードの飾り物雰囲気を目指すもよし、 時間、場所、状況に合わせて 楽しめるのも 醍醐味でしょう。
 ビンテージカーのスタイルには 現代の車の画一的なボディスタイルには失われてしまった独特の雰囲気があります。この魅力に一度 はまったらもう抜け出せない、いつのまにか 大コレクションになっています。




 ビンテージカーのプラモデルは、プラモデル店の棚にほとんど見られなくなってしまったのが残念です。どこの店に行っても棚に並んでいるのは金太郎あめのごとく、国産車かスーパーカーのプラモデルではつまらなく、目新しさもありません。  新製品も日本プラモ各社 申し合わせたように同一車種でかちあいます。リスクを恐れるのはしょうがないとしても、アイテムの多様性を失ってきたのが、プラモデル業界が停滞して新鮮さを失った一因かもしれません。   とはいえ、インターネットが発達した現代ではヤフオクや通販のサイトを探せば、まだまだ 新鮮に感じるプラモデルが リーズナブルな価格で見つかります。一昔前ではビンテージカー絶版プラモデルの入手など 考えられなかったことですが、今は ”検索一発”ですから、プラモデラーにとっては いい時代になったのかもしれません。これからも 出来る限りGETして作ってみたいと思っています。








 Home>1929 ベンツSSK (グンゼ 1/24)  1929 MERCEDES BENZ SSK (GUNZE 1/24)

Vol.69 2014 May.   www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved / 
            editor Hiromichi Taguchi 田口博通 /無断転載を禁ず  リンクフリー

「webモデラーズ について」 「広告のご出稿について」

特集2

TOTAL PAGE