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プラモデルの製作

   E2C ホークアイ (フルスクラッチ 1/48)

by 愛知県在住 作者 清水 栄治




■作品について
 この作品は2009年に作成したものですが、毎年横浜で開催されているホビーフォーラムに出展し賞をもらった作品です。これを作るきっかけはフルスクラッチに目覚めたこともあって作った作品がどこかで展示できる機会がないかと思っていた最中、模型雑誌でホビーフォーラムを知り模型メーカーにとらわれないこと、出展内容が私の求めている内容のもと一致したことでした。 機種は大型で見栄えのするそしてギミックが伴うものでE2Cホークアイに決めました。丁度そのころにハセガワから1/72でキットが出たところでそれを購入して参考にしようと思いました。資料は静岡のホビーショーで専門誌を購入して又ハセガワのプラモデルも購入して準備をしました。




■製作について
 専門誌の内容はフルスクラッチには十分ではなくハセガワのプラモデルが大変参考になりました。専門誌の中には図面が添付してありましたが大まかなアウトラインは役に立ちますが日本人の作った図面ではなく詳細は不明で不満が残るところでした。製作にあたり1/48の原寸の図面を拡大コピーで作成しました。飛行機の胴体は0.5mmのプラ版を曲げ加工したものを外面に張りつめて同心円の円筒を作りました。難関は後部胴体と機首付近ですが後部は曲面と絞り込みの連続で曲げ加工したプラ版では再現が不可能になるためプラ版を0.5~0.3mmの短冊状にした板を胴体桁の外周に(直角方向に)まんべんなく貼りまわし、乾燥後削り出してそのあと短冊プラ版の隙間を瞬間接着剤で塞ぎ外側面を整形しました。 機首も同じように作業をしましたが先端部はエポキシパテで盛り付け削り出し仕上げをしました。コックピットは資料とプラモデルを参考にしてそれらしく作りました。キャノピーは透明プラを一枚ずつ枠内に収めました。両サイドの凸状のキャノピーは木型を作り透明プラ版をヒートプレスしました。翼は桁にプラ版を貼りつけそれらしく作りました。ギミックとして補助翼、主翼折りたたみ機構など資料を基に力をいれて作りました。

 

 プロペラは一枚ずつ作りましたがこれもプラモデルが大変参考になりました。プロペラの曲げと絞り込みは大変難しくて失敗の連続で満足のいくものがなかなか出来ませんでした。レドームは中央に向かって曲線で盛り上がっていますがそれを表現するために同心円のリング(ドーナッツ状)をコンパスカッターで切り出して放射状に作った桁にそれを貼りつけて中央見に向かった盛り上げを再現しました。 足回りは強度を増すためにプラ棒の芯に真鍮線を入れました。前後輪の車輪ホイール及びタイヤも全てプラ版で積層した後削り出しによる整形で仕上げました。折りたたみの主翼は全て格納状態にしようと思いましたが、せっかくのボリュウームが台無しになるために翼を展開中の状態でなおかつ折りたたみ機能が見えるようにしました。機体全体に資料とプラモデルを参考に筋ぼりを付けました。




塗装はラッカー系の塗料でグロス仕上げにしました。最後に機体に貼るデカールですがこれに一番悩みました。全て手書きにすれば膨大な時間がかかり又そんな技術もないのでパソコンで作ることにしました。そのころハセガワからシリーズ2作目が発売されて、かっこいいデザインで即そのデザインに決め2機目を購入しました。 作り方は1/72のデカールをスキャナーで読み取り1/48に拡大して専用シートでプリントアウトしました。しかしそのデカールは全て使えるものではなく、大きさによって着色が薄かったり彩色が合わなかったりして必要最低限の使用に限りました。大きなマークはエナメル塗料で手描きとしました。デカール貼りつけ完了後は本来ならクリアーを吹くのですが今回は時間不足でそのままにしてあります。




出展1週間前は毎日4時間以上の作業と1日前は徹夜で仕上げました。本来は飛行機の駐機状態をデッキか滑走路にしたかったのですが時間足らずで断念しました。当日、東名高速道路を走り横浜赤レンガ倉庫までもっていきました。移動中の破損を考慮してそれなりの道具も積んでいきました。 会場で受付を済ませ発表を待ちました。その間さまざまなブースを見学しましたが、どうやら車関連がほとんどの内容で私の作品は場違いの感がありました。作品発表でモデルアート賞をもらいひとまず安心しました。発表後記念品をもらい作品を持ち帰りました。


 


■全体をとおして
 プラ版には特性があり、それをうまく利用すればほとんどの造形が可能であることが分かりました。特に曲面は一度くせをつけてやればその形を維持したまま造形が出来ることと、細くして指などで引きながら摩擦を繰り返すと柔らかくなり曲面の造形が楽になります。又プラ棒の太さもプラ版をスパイラル状にグルグルまきつけ接着することにより自由な太さの棒が作ることが出来るなど今回良い点が見つかりました。 その反面接着剤の濃度で乾燥後1週間以内に接着箇所にへこみが現れ今後の課題になることが分かりました。今回の出典は苦労が多くて実りが少なく思いました。出展ばかりを考えてしまったほろ苦い思い出となりました。
しかしスクラッチはこれに懲りず今後も続けるつもりです。




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