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誌上個展

OA-4M スカイホーク(モノグラム1/48)

by  田口 博通  Hiromichi Taguchi




 OA-4Mは 複座型のTA-4E/Fを米海兵隊の前線航空統制機(FAC)用に改造したものです。よって、武装、航法装置などは海兵隊のM型に準じています。911前は時々、岩国から厚木NAFに飛来し、厚木基地オープンハウスでも展示されたことがあるので、ばっちりと写真を撮った方も多いと思います。  モノグラムの1/48 OA-4Mは1985年にA-4Fのバリエーションとして発売されたもので、いつのまにか30年近く経ってしまいました。
 表面は凸モールドですが、そこは泣く子も黙るモノグラムです。決めるべきところはバチッと決まった精緻なキットで実機の雰囲気を余す所なく表現していました。




 今回の特集に合わせて、作りかけになっていたものをやっと完成させました。こういう機会でもなければ、ほおったままになっていたかもしれず、特集をモチベーションのきっかけにするのも良いかもしれませんね。  80年代に厚木で撮った写真をじっくりと眺めると ロービジの中にパネルラインがアクセントとして見えるという雰囲気です。それで、胴体の凸モールドの大き目のパネルのラインのみをスジ彫りに変えました。アクセスドアなどは凸モールドのままとしてあります。




 キットのコクピットは 座席とサイドパネルが一体になったもので、組み立てが簡単なのにかかわらず、彫刻が素晴らしく、組み込むと実感満点になります。ここが モノグラムのモノグラムたる由縁でしょうか。特にヘッドレスト周りをここまで表現したキットは数少ないと思います。  シートクッションをオリーブグリーン、シート本体とヘッドレストを艶消し黒は定番ですが、エジェクションハンドルの輪を黒と黄色の寅模様で塗っておきますと良いアクセントになります。




 胴体とエアインテーク、主翼の合いは ばっちりで すり合わせの必要が無く、助かりました。
主翼はせっかくフラップが上下選択になってますので、メーカーの好意に甘えてフラップダウンとしてみました。主翼スラットも、胴体エアブレーキもオープンがこのキットの標準になっているので、動きが醸し出されて、後日 飽きがこないのはさすがモノグラムですね。
 テール周りのチャフディスペンサーや、各種アンテナ類がこのOA-4Mの数少ない特徴なので、写真を見つつ、ちまちまと再現してみました。
 機銃は紛失してしまっていたので、仕方なくシンチュウパイプを組み合わせて自作しました。
 2本の巨大翼下燃料タンクは積みたかったのですが、時間切れで間に合いませんでした。今度落ち着いたら、装備することにしましょう。




 塗装は、下面 36495,上面 濃いグレーが36320,中間グレーが 36375と指定されています。そのまま、Mrカラーの特色を塗るのが簡単です。インテークリップだけ、36495にしています。また機首のラクダの口をレドーム色。
 ロービジっぽい雰囲気が醸し出されるのは、アレスティングフックで、ここは白黒ではなく、ぜひグレーで塗り分けてみてはいかがでしょうか。
最後にパネルラインと汚しは油彩のローアンバーなどで入れてみました。
 ハンプバック上のライトは赤なのでしょうが、目立ち過ぎて雰囲気を壊してしまいそうだったので、色を入れてません。翼端灯も同様で、色を入れるのを止めました。
 その代わりに、主翼前縁のアンテナ部はきちんとレドーム色を入れてあります。
 といった風に実機とはちょっと違ってしまいますが、ロービジを強調する所はする、雰囲気を壊しそうな色の部分は控えるというように考えて、ロービジのイメージを補強してみました。

 

 完成すると、ハイビジの攻撃機型スカイホークとは全然違ったイメージのOA-4Mになりました。

 また、ハセガワの48 TA-4Jを2009年に作りましたので、並べてみました。表面塗装の違いだけではなく、本質的に違う機体に見えます。

 用兵の違いで、実機が当然違うからかもしれませんが、モノグラムはOA-4Mの実機の本質的な違いまで表現しているのでしょう。
  果たして、他のメーカーがバリエーションキットを作る際に 表面的なものだけでなく、内在する本質の表現をここまで考えてできるのかどうか。そもそも 商品化する際にそんなことを考えるまで至っているのか? ま、今後を楽しみにしておきしょう。

OA-4M (monogram 1/48)


比較 TA-4J(ハセガワ 1/48)


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