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Strv m/41 イン スウェーデン

by  コルディッツ

 スウェーデンのアーセナル戦車博物館を拝観しましたので、ご報告させていただきます。
 ストックホルムからのアクセスは、鉄道で約1時間のストレングネス駅に、そこからバス で15分位です。私が行ったのは、スウェーデンの祭日ー夏至の土曜日だったせいか、バス便が少なくて弱りました。ストレングネス駅に着いて接続するバス便(No820)確認 したら、1時間半後!駅前にはタクシー乗り場もあるのですが、1台も待っておらず、しばらく待ちましたが、一向に来ませんでした。駅に職員配置はなく、駅舎内に売店があるだ けで、観光案内所もありません。そこで駅前から住宅街を通り抜け、街の中心部を散策 して時間を潰しましたが、北欧らしく刺激の少ない町でした…
 アーセナル戦車博物館は陸軍基地に隣接していますが、基地の様子は見られません。
 帰りのバスまで1時間半ほどしかなく、急いで撮影して廻ったので、漏れが残念です。
 スウェーデンは第一次世界大戦も第二次世界大戦も、国土は戦場にならなかったので (誤爆等はありましたが)、戦闘車両の保存状態が良く、博物館は期待を裏切りません。
 スウェーデンの戦車の歴史は、ランスベルグ社が第一次世界大戦後にダイムラー社 からL.K.Ⅱ軽戦車のライセンス権を取得し、Strv fm/21として生産を始めた事に始まり ます。本稿のテーマであるStrv m/41もナチス・ドイツ支配下のチェコから、THN戦車のライセンス生産権を取得したことが始まりですので、スウェーデンの戦車史は、ドイツの 戦車史の裏話、或はパラレル・ワールドの感があると思えます。
 
 なお博物館で購入したガイドブックはスウェーデン語なので、帰国後ウィキペディアを 参考にして、Strv m/41ことスウェーデン版38(t)戦車について記述します。
 チェコスロバキアで開発されたTNH戦車は、後にドイツ軍によって38(t)戦車として使用
されましたが、それは実はスウェーデンの発注したものを、ドイツが接収したものでした。
 接収の代償としてスウェーデンにライセンス生産権が与えられ、Strv m/41が生産され ることになりますが、「Strv」はスウェーデン語でStridsvagnの略称で「戦車」を意味し、 「m/41」で1941年形式を意味します(採用年だと思います)。スウェーデンでは初期型 のSⅠ型116両、後期型のSⅡ型104両の合計220両を生産しました。
 スウェーデン版はエンジンと武装を国産の物に換装し、SⅡ型はドイツでの改良情報 から車内容積を拡大しています。またSⅡ型の車体に75mm砲(後に105mm砲)を 搭載した突撃砲「Sav m/43」も生産していますから、ドイツでの改良のキャッチアップ にスウェーデンは懸命だったようです。
 私見ですが、原型と主砲の口径(37mm)に変化はありませんが、ボフォース社製の 方が威力がありそうな気がします。また生産された220両は1050年代まで使われた 後、全車両が兵員輸送車(Pbv 301)に改装され、砲塔は基地防衛用に再利用された そうですから、スウェーデン陸軍はエコでも優秀ですね。
 
 博物館展示のStrv m/41は、Sav m/43の車体と基地防衛用の砲塔から組み立て られたとの事です。博物館に一号戦車A型があるのは知っていましたが、タイガーⅠ型 戦車まで収集しているとは思いませんでした。転輪の欠けていているこの戦車、どういう 経歴なのか気になり、後でスウェーデン語と英語で書かれている説明版を撮影する予定 でしたが、バス便の時間が迫り、忘れました。タイガー戦車ファンの皆様、ごめんなさい。


アーセナル戦車博物館の外見        以下2014年6月撮影



Strv m/41

















Ssv m/43 スエェーデン版ヘッツアーというところでしょうか。
 









 タイガーⅠ型戦車 車体前の説明板の撮影を忘れました!



 Strv m/41を改装した兵員輸送車Pbv 301



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Vol72 2014 August   www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /editor Hiromichi Taguchi 田口博通
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