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誌上個展

   木製キット 1/24 八丁櫓(ウッディジョー )

by 横浜の模型工房ブリッツ  山田昌行




 プラモデルしか作ってこなかった私が初めて本格的な木製キットを作ってみました。 説明書に沿って順に組み立てていけば出来るというお言葉に乗り挑戦してみました。


製作

 まず、キール・フレームの組み立てです。ここは殆どがレーザーカットされた部品ですので問題はありません。ただ繋がっていた部分を切り離した痕の切り口はきれいにペーパーがけをします。プラモデルで言えばランナーから切り離したゲートの処理だと思えば良い訳です。 これらを番号順に組み、接着します。接着には殆ど速乾性の木工用ボンドを使用しました。コレさえあれば充分です。ただしここでの組み立ては難しくはありませんが、説明書にあるように正確に行いましょう。後に狂いが生じないようにします。

キール・フレームの組み立て



 次に外板張りです。ここが組み立ての最初の難関ですね。外板をフレームに沿って曲げて船体の曲がりに合わせるわけです。説明書には 水もしくは湯で表面側を湿らし軟らかくして曲げグセをつける方法が説明されています。しかし外板中央はその方法で曲がっても、外板が幅広いため、外板の前後部両端はなかなか三次元に上手く曲がらず、結局後にやかんで湯を沸かしその蒸気で曲げ直しました。 ただし、ヤケドしないよう充分に注意します。
 初心者にはこの蒸気の方法は危険で無理ですので、初心者の方は説明書の「水もしくは湯で表面側を湿らし軟らかくして曲げグセをつける」方法にて 時間をかけて根気よく曲げてみてください。
また外板の先端は舳先と接着しますのでその位置を舳先のパーツにケガキ線を入れてほしかったですね。組み立て毎に接着部分のペーパー掛け必要です。ケガキ線に沿って切欠いたり、穴あけがありますので忘れずに。



 甲板の組み立てでは、原寸図を参考にしながら採寸し組み立てていきますので、忍耐力の要るところですね。
大きめに作った甲板を船幅に合わせカット調整します。この際、原寸図をコピーしそれをカットして合わせるようにすれば失敗せずにすみます。



 蛇台座以降は指定の棒材を指示通りにカットし取り付けていきます。

蛇台座の取り付け


船梁の取り付け



 船体塗装はマスキングして筆塗りのように書かれていますが、塗装しない部分を完全にマスキングして Mrカラー缶スプレーのつや消し黒で塗りました。この際充分にマスキングしたはずなのですが木材の木目に沿って少々塗料がしみ込んでしまいました。 なお、メーカーさんのコメントでは「キット説明書で推奨しているリキテックスを使用して頂くと木目にも滲まず、きれいに仕上ります。」とのことなので、説明書通りの塗料(リキテックス マースブラックかタミヤアクリル塗料XF-1)を使っていただくとよいでしょう。

船体塗装



 この後、蛇の加工や帆柱、帆桁の加工になります。丸棒をテーパーに削るのは大変根気のいる作業ですので地道な工作が要求されます。出来ればここだけでも加工されていると良かったと思います。 船梁と櫓床の端面にエッチング板を曲げ、取り付けます。単純な箱組みなので問題ないと思います。

舵の加工


帆柱の取り付け


 帆布の加工ですが、帆の両側と底部に渡って真鍮線をとりつけます。この真鍮線は小さく巻いてありますのでなるべく真っ直ぐに伸ばしてから加工し取り付けないといけません。ここも慎重な作業が必要です。 帆桁と結ぶための穴あけの指示がありません。説明書をよく見ればわかりますが、帆の下側の角2箇所も忘れずに開けます。あとでロープが通ります。



 帆柱を立て、帆を取り付け、ロープを取り付けます。説明書をよく見て行えば出来ますが、弛まないように上手く張るには結び目を瞬間接着剤で固着しながら行うとよいようです。のぼり旗と櫓を取り付ければ完成です。







櫓の組み立て


舵部分


のぼり旗


 木材の曲げ加工や削り込む作業がかなり要求されますのであせらず、時間をかけてじっくり作るのがベストだと思います。




八丁櫓の由来

 江戸時代、駿府に城をかまえ晩年を過ごした徳川家康は、焼津浜から久能海岸までを軍船で渡り、鷹狩りに出かけることとなった。
その折、村の漁師が所有する24隻の漁船を護衛に任命したが、多くの櫓で漕ぐ軍船には櫓が少ない為に家康の船に追いつけず、警備を果たせなかった。漁船の櫓は7本まで、と決まりがあった。
この時、一人の漁師が家康に「これより船を速く進めるためには、禁止されている八丁櫓(八本の櫓を持った船)を使うしかない。」と直訴し、家康は全国でこの地に限り八丁櫓の使用を認めたのである。


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