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誌上個展

海上自衛隊 魚雷艇 PT15 (タミヤ1/72)の製作

by 田口 博通 Hiromichi Taguchi



 海上自衛隊魚雷艇の最終艦PT815の1/72モデルがタミヤから発売されています。今回の特集に合わせて 作ってみました。使ったキットですが、今春に亡くなられた所属クラブの老師の遺品分けを完成させました。製作経過を製作記事としてみましたので、皆様もぜひご一緒に追体験されて下さい。 三菱重工業下関造船所でPT815が完成したのが、1975年7月のこと。アルミ合金製の軽量船体に高速走行用専用のガスタービンエンジンが装備されています。 まもなく、タミヤがモーターライズで製品化しました。90年代にモーターライズを省略し、再発売されています。




製作

 (0)準備
塗料
 海上自衛隊の艦船の基本色はグレーですが、PIT-ROADから艦船カラーが発売されていますので、それを使うのが簡単です。
 今回、使った塗料ですが 
 船底ハルグリーンには Mrカラー特色 302 グリーン(チャコールデザート迷彩色)。
 船体グレーには PIT-ROAD艦船カラーの海自グレー(1)。
 甲板グレーには 同艦船カラーの海自グレー(2)を用いています。

接着剤
タミヤの流し込み接着剤とアロンアルファ瞬間接着剤を用意しましょう。

道具
カッターナイフと、ピンセット。400番と800番の耐水ペーパーがあれば十分です。
(1)船体には船体後部部品など接着すべき部品は全て接着してしまいます。それから、船体をマスキングして、船底色をグリーンを塗装します。面積も大きいので、口径の大きいエアブラシを使うと楽です。


(2)船底をマスキングして 船体グレーを塗装します。
(3)塗り終わるとこんな感じになります。実船の喫水線が非常に浅いことに気が付きます。
この後、船体ナンバーを貼りつけますが、船体ナンバーはデカールでなく、シールでしたので、フィルムが光ります。貼った後でナンバーの周囲を丁寧にカッターナイフで 切り取るとよいでしょう。

実船は軽量船体で喫水線が非常に浅く、ほとんど海の上を滑っているような感じです。
スピードは時速40ノットの最高速度を誇っています。



(4)甲板には手すり以外の細かい部品を全て接着し、甲板グレーをエアブラシしています。
 その後、細かいディテールは全て、面相筆で丁寧に船体グレーを塗装しています。人間のやることゆえ、はみ出した所が必ずありますので、また面相筆で甲板グレーで丁寧に修正すれば甲板は完了です。

(5)前後部ブリッジ、魚雷発射管、機関銃座は、細かい部品もできるだけ接着してモジュール化してから 船体グレーを塗装します。そうした方が接着強度がかせげます。


(6)司令室は塗装後に、前部ブリッジに下からさしこむことが可能です。残念ながら外からはほとんどみえません。室内はMrカラーNo.26 ダッグエッググリーンで塗り、計器裏をつやけし黒、目立つ座席を艶消し赤でしっかり塗りわけるだけでよいでしょう。 (7)甲板を船体に仮組し、すり合わせを充分に行いながら 取り付けますが、接着には流し込み接着剤を使うと楽です。タミヤの製品らしく隙間なく合うのは さすがです。

(8)後部ブリッジを取り付けて行きます。 (9)魚雷は弾頭をシルバーと赤(実弾)、黄色(訓練弾)で塗り分けます。プロペラは金色か銅色がいいでしょう。


(10)甲板に魚雷発射管を取り付けます。2本が並行になるように慎重に!
(11)前後の機銃座を取り付けますが、回転するようになっています。

(12)甲板上の艤装です。旗さお、手すり支柱を取り付け、手すりロープを付属の糸で張って行きます。
糸の先端を瞬間接着剤で固め、固くすると針のようになり手すりの小穴に通しやすくなります。
(13)手すりロープ要所の端の結び目は瞬間接着剤を点付して接着すると緩みません。前部甲板の手すりが張り終わりました。

(14)同様に後部甲板の手すりロープなど艤装が完了。
(15)マストは前部ブリッジの孔に仮に差し込んでおき、 組み立て接着後の保持をすると楽です。

(16)ブリッジの手すりや照明灯などを取り付けます。
ここまで来たら、手すりロープも含め細かい部品を全て、船体グレーで丁寧に面相筆を使って塗装して行きます。


(17) 折れやすいアンテナは金属線で作り変えました。最終段階で取り付けます。

完成

 艦船模型は航空機模型よりもはるかに部品が多く 複雑です。それゆえ、接着できる部分はできるだけまとめて接着してしまいモジュール化してから、塗装すると楽です。
 細かい部分は面相筆を多用します。
最後にタッチアップを丁寧に行うと作品の仕上がりもばっちりです。
 スミイレとウエザリングはお好みで。スミイレにはエナメルを使うとプラスチックが劣化し 継時変化でボロボロと細かい部品が剥がれてしまいますので、水性塗料を使った方がよいでしょう。
 
 実物全長は35mですから 完成すれば 1/72モデルなので50cmの全長となる大型モデルとなります。決して難しいことはなく、根気よく作れば、実働一週間で これだけの大型艦船が誰にでも完成します。押入れに在庫しているアナタ! ここは一つ作ってみませんか。





魚雷は訓練弾ではなく、実弾装備としました。




 ストレートに作っただけですが、精密感ばっちりに仕上がります。さすが 1/72の大型艦船です。
艦尾の旗竿は後部ボフォース40mm単装機銃に接触しますので、短くし収納状態にしました。「合戦準備」としたい場合は、艦首旗竿も収納し、乗組員を塗装して搭乗させましょう。マストには戦闘旗を掲げて下さい。
 ちなみに PT-15は舞鶴の防備隊に配属され、主に日本海方面をパトロールしていました。





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