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プラモデルの製作

F4F-4 (アカデミー 1/72)

  by 加藤 寛之




 ギラー少佐が海軍に籍を置いていたとされるときの乗機、“ザ・ミリー・C”である。「Fake Aviation」誌1962年4月1日号に紹介されているという(作者未見・当然である)。似た塗装の機体はムスタングにもあるようで、『航空情報』1962年6月号の原色図に、それがある。真っ赤なムスタングで、“ザ・ミリー・P”号だそうだ。真っ赤なムスタングは以前、レベル社のファイター・シリーズで採用されていた。 あの、シシャモのような胴体のムスタングである。ただし『航空情報』誌とは細部塗装に相違がある。今回は『航空情報』誌のカラー図を参考にして、F4F機を再現してみた。こちらの機はムスタングと名前が違うようで、“C”はキャットの頭文字であろう。ラダーにネコの顔が描いてあるので、おそらく間違いない。




 このデカールが付いたワイルドキャットのキットは存在しない(当然である)。作例はアカデミーを使ったが、以前は胴体からはみ出すようなハデな国籍マークを添えていたが、今回の購入品は国籍マーク4つと「4」が4つ。寂しいが、400円だから文句も言えない。キット自体は作りやすいことは良いのだが、結構イケナイ製品で、どうやら飛行機の形をしているが飛行機の本質は一切無無視というもの。 外形も難アリだ。先日、友人とダメ・キットで話題になったときに、二人で納得したのがこのキットだった。と、言うことは、友人も作ったということだろう。私は、たぶん4機めだ。ダメだから作らない、のではない。




 コックピットは椅子と操縦悍のみ。これは後から取り付け可能。よってエンジンを組み込めば、胴体左右を接着できる。主翼もすぐに上下を貼り合わせられる。このとき、“胴体が似ていないナぁ・・・、太っているなァ”とか思ってはいけない。主翼も“断面形がヘンだし、後縁も変なカッコだなあ”とか、思ってはいけない。400円である。合わせてみると、主翼上反角がゼンゼン不足。“アカデミーのF4Fなのね。グラマン製じゃ、ないのネ”と思って、そのまま接着。
垂直尾翼の側面形だけはちょっと削ってみたが、そのまま作ればよかったと反省している。プロペラは木っ端をくっ付けたような感じで、プロペラって感じがしない。仕方がないな、400円だ。塗装前に、念のため胴体に風防を載せてみる。意外に合う。コックピット開口部は曲線だし前後長も疑問だが、胴体とは合う。“形のことは見なかったことにしよう”にする。




 塗装は、主翼と尾翼の帯の赤と黄色以外は、特別にマスキングをせずに筆で塗っている。銀ピカは好きでないので、かなり銀のツヤを殺している。赤は赤色、黄色は黄橙色、緑は青松葉色。タイヤのホイールは銀が妥当かもしれないが、ここは模型的判断で赤に塗った。  さて、真っ赤なムスタングは誤りと言われながらも、一度は塗ってみたい塗装だ。とはいえ、やはり機体が違うと印象がだいぶ違う。いくら自分勝手な想定に基づくとはいえ、ガッカリと言うよりは冒涜という感じだ。レベルのムスタングのカッコいい記憶が、ズタズタになった。正直言って、止めりゃあ良かった。





 いろんな事情があってプラモ作りに疲れており、その気分転換にと作ったのだが、もっと疲れた。 これではリハビリにならない。じゃあ、次は何を作ろうかな。


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