イタレリからリリースされているカプロニCa313/314は、Ca313をスウェーデン空軍 タイプにしようと購入しましたが、透明部品の多さに音を上げ、未着手プラモデルの山の
一部になっています。実はその後にリリースされたCa311も入手済みなのですが、これ も同じ道を辿っています。透明部品の多さなんて、ボックスアートを一目見れば分かるは
ずですが、いや、店頭で熱くなっていると、これが見えないですよね(苦笑)
しかし一度は縁あって購入したキットですから、ぜひ自分の手で成仏させて上げたいと 思っています。その製作モチベーション・アップもあって、スウェーデン空軍博物館訪問時
に、展示されているCa313ーただしレプリカを撮影して参りました。写真を見れば見る程、 爆撃機よりも偵察機にふさわしい機体に思われました。
写真にもあるように、右側胴体の窓からのぞくと、左側胴体内部が良く見え、レプリカ ではありますが、実物を見て製作モチベーションを上げるには、難しい機体でした。
スウェーデン空軍博物館のパンフレットの拙訳は次の通りです。
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「B16/S16 カプロニCa313 事故率の高い航空機
第二次世界大戦、スウェーデン空軍は国境防衛のために、新しい航空機を必要として いた。少なくない国家が航空機の輸出を禁止していたが、スウェーデンはイタリアから
84機のカプロニCa313の購入を達成した。
スウェーデンではS16/B16と呼称されたこの航空機は、4名の乗員で、爆撃と偵察が意図されていた。不十分な性能と激しい使用により多くの事故が起き、いくつかの場合
では、一時的に地上に留め置かれた。
84機のカプロニ機のうち20機が墜落事故で失われた。いくつかの改造を経て、主に この機体は長距離任務を含む偵察に使用された。1944年5月にはバルト海上空で、
偵察任務中の一機のS16がドイツ空軍機に撃墜されている。さらに同月中に偵察任務 中に姿を消した機もあった。
スウェーデン空軍ではカプロニ機を保存していなかった。博物館のカプロニ機はTV番 組のために作られたレプリカである。レストアを行うグループ(※ within
Ostergotland Fiyghistoriska Sallskap)が、最近エンジンカウルの装着を含む、広範囲の改造を行って いる。」
※(Withinn…)以下は地名を頭に付けたグループ名のようです。
Ca313の母体のCa310は、ノルウェーが干鱈とのバーターでイタリアから入手しまし たが、低性能の機体で評判が悪かったと北欧空戦史を描いた『森と湖と空』にありました
が、スウェーデン空軍のCa313も同じだったようで、いかに物持ちの良いスウェーデン 空軍でも、一機も保存しなかったのは分かるような気がします。でもCa309「ギブリ」に
始まり、引き込式主脚にして、徐々にエンジンをパワーアップし、段差なし風防にしたり 段差付風防に戻したりと、きめ細やかな改修の系列は、捨てがたい魅力がありますね。
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