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誌上個展

   A-10サンダーボルト(イタレリ 1/48)

by 愛知県在住 作者 清水 栄治




■作品について
 この作品は2011年の晩秋頃のものですが、時々買い物にでかけるホビーショップのコンテストに出展して賞をもらった作品です。これを作るきっかけは、ある有名な海外のモデラーの作品を雑誌で見たこととそれを機にその方がHPで紹介されていたのを見ることができたことで、その表現方法に大変驚かされたことでした。機種については過去に1/72でサンダーボルト(ハセガワ)を作ったことがあり重武装で見栄えすることは解っていました。 手持ちのストックの中に貴重なモノグラムの1/48がありましたが作ることがもったいなく躊躇していました。丁度そのころタイミング良くイタレリから1/48でキットが発売になったのでモノグラムを犠牲にすることなく作ることに決めました。内容は例によって機体内部の表現を重視しました。




■キットについて
 イタレリ製の1/48でパネルライン全体が凹面仕上げと多少のリベットが施してあるイタレリスタンダードです。外観は可もなく不可もなく機体表面にところどころ梨地があり又筋ぼりが少し太く、ところどころ浅い個所が見られました。外観で一番気になるところは機体先端がボテッとなっておりここは修正しなければならないところです。 爆弾・ミサイルなど十分に付属しておりこれは合格点だと思います。又デカールも以前は艶消しがきつく又硬さがありましたがそれは改良されているようです。接着の会いは程好く組み立てはスムーズに進みました。機首先端の修正に伴いバルカン砲をごっそり作り変えることと更にもう一つ展示用に作ることにしました。




■製作について
 機体胴体内の電子機器を緻密に作るための資料は十分手に入りましたが配線コードをどの程度表現すればよいかに悩みました。最初は配線コードをばらしてそれを束ねようと思いましたが金属とプラ材の接着塗装に難点があることが判りました。 そこで極細の伸ばしランナーを5~6本程度束ね接着して乾燥。その後にぐにゃぐにゃと曲げる表現を線香の弱火であぶりゆっくりと曲げを施しました。これはなかなかのアイデアでうまく表現できました。電子機器類は全てプラ版と伸ばしランナーで造型しました。




 バルカン砲も機体内部用と展示用で2セット作りました。ここでは弾装ベルトの表現に悩みました。色々と試作をしましたが厚0.3mmのプラ版を1mm幅に切りそれを芯材(厚1mm幅3mm)にスパイラル状に密着させて巻きつけ、巻き癖をつけてから芯材を抜き取ればベルト状の出来上がりで程好い表現となりました。


 



 エンジンと機体尾部の表現も資料に基づいてプラ版と伸ばしランナーで表現しました。バルカン砲が収納されている状態を見せるために地上に鏡を置くことにしました。




 塗装はラッカー系の塗料を使いました。迷彩塗装では明度の明るい順にエアブラシで塗装し迷彩の表現は型紙を切り抜き裏面の境界近く(1mm程度控えた)に両面テープを貼り、すでに塗装乾燥した面に型紙を貼りつけ順次それの繰り返しで迷彩を完成しました。塗装後エナメル系塗料で墨入れを行いました。 その後デカールを定着させるためにクリアー塗装を全体に2回ほど吹きました。乾燥後デカールを貼りました。ここではシルバリングに一番気を使いますがクリアー塗装に効果があり心配はありませんでした。最後に艶消し塗料を吹きますが、グンゼのスーパークリア(全艶消しと半艶消しの中間の配合)を少し薄めで3回ほど吹きつけて完成です。




■全体について
 製作は150時間程度かかったと思います。やはりサンダーボルトは爆弾・ミサイルいっぱいが似合いますね。又バルカン砲も初めて挑戦しましたが見応えのあるものになりました。まだ弾装ベルトに改善の余地がありますが又いつか挑戦しようと思っています。 今回は真似から始まりましたが少しは海外モデラーの表現に近づけたよう思いがしました。これが私の作風でもあるような思いになりました。


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Vol.74 2014 October.   www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved / 
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