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プラモデルの製作

ガネット (ノボ(フロッグ) 1/72)

  by 加藤 寛之



 要するに、今から40年くらい前にプラモデル業界から消えたフロッグというブランドの製品だ。ちょっと調べてみたら、ガネットは1956年の発売らしい。 このキットは私の好きな製品で、これまでに2機か3機を作っている。




 この時代のフロッグキットは、脚引き込み部分にアナがない。今回は黒く塗って完了。コックピットにある胸像は切り落として、これまた黒く塗っただけで終わりとした。前回作ったときは脚庫を開けたが、特に見栄えはしなかった。コックピットも開口したが、曲面の厚い透明部品では中が全く見えなかった。だから今回は、やめた。いうなれば、前回作ったころは「プラモデルはこう作るのだ」という呪縛があったということだ。今では呪いも薄くなり、短期完成でキットを楽しむ私になっている。  とは言いながら一応資料を見る。薄くなったとはいえ呪縛のなごりだ。「ウ~ン」と確認、あまり見ないことにして閉じる。キットを楽しむのだから基本的に資料はいらないのだが、脇に置いてときどき見る。「形がおかしいと思ったら、ヤッパリ違うな」と楽しむためでもある。もちろん、修正するわけではない。




 相当量の錘を入れて、左右胴体を接着する。わりとズレはない。前方の一体となった透明パーツをのせてみたらちょっと低かったので、胴体にプラバンを貼って持ち上げておく。胴体中央の透明パーツも同様だったので、これも持ち上げておく。ここにある小さな丸い窓はモールドだけで省略されているが、風防内の黒塗りと色を合わせれば目立たないので、塗ってオシマイと方針を決める。前回は透明にしたが効果ゼロだったし。主翼は平面形をスッキリさせ、後縁を削り上げで薄く見せた程度でOK。胴体と仮組みしてみると、イイカンジで上反角がつく。 隙間はパテを軽くつめこみ、溶剤で余分を拭き取るだけで大丈夫。水平尾翼も整形したくらい。途中に付くハート型の垂直安定板部分は多少の隙間が生じるが、ちょっとパテをつけて完了。右側がやや傾いてしまったが、許容範囲。プロペラは形を無視して、バリを取るだけで済ませる。枚数が多いので個々の形など目だたないから、これでよい。主脚はテキトウに固定し、支柱を付けて補強した。古いキットだから全体に問題点は多いのだが、出来てしまえば気にならない。




 上面の灰色はその辺りにあった灰色、下面色はクレオスの指定色そのまま。後者は好きになれない発色なのだが、面倒なのでそのまま塗った。塗装後に2000番のサンドペーパーで擦り、モールドの凸線を目だたせる。キットの整形色は緑なので、それが露出してスミ入れ風になる。凸線がヘロヘロなので単調さがなく、むしろ感じがよい。塗装前にカッターでパネルラインを何本か追加しておいたので賑やかさがあり、それなりに見栄えがする。ペンギンのような胴体の塗りわけは、塗りわけ用の凸線に沿ってのフリーハンド。マジメに考えれば塗装線のモールドはヘンなのだが、便利優先で歓迎だ。  問題はデカール。貼れるかと思ったが、水中で崩壊。仕方がないので他キットの余りから似たものを探した。「RF・・・」と隅に書いてあったが、もしやレベルのファントムか?これまた古くてパリパリで、ようやく貼った。ムリヤリに貼ったので左主翼上面のマークにシワが生じたが、まあ、いいや。




 完成、「うん、いい感じだ」。ガネットは形が面白いから好きだ。特にフロッグのキットはパーツが少なくて大スキ。スケールモデルとしては難アリだがどう見たってガネットだし、OK、OK。 これで次のSLB展示会のテーマ機が、また1コできた。このキット、在庫でハセガワ・フロッグ版とイースタンエクスプレス版も持っていることは確実。もっとあるかもしれない。まだまだ作れる。


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