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Walkaround Photo MV-22B Osprey

by Kiyoshi Iwama



 去る9月6、7日の両日、米空軍横田基地にて日米友好祭が2年ぶりに開催されました。今回地上展示された機数は従来に比べると幾分少なくなったようでしたが、話題の機体、MV-22Bオスプレイが展示公開され、注目の的となりました。機体は普天間基地から飛来した、VMM-265の所属機でEP/01(168217)とEP/07(168028)です。

EP/01は主翼をVTOLモードにした形態で、またEP/07は主翼とロータを折りたたみ、格納状態で展示されました。またEP/01は機内が公開されたこともあり、周囲に人が群がり、大変な混雑状態で、機内の見学はあきらめました。ここに紹介する写真は、機外から撮影した機体各部の様子です。模型製作の参考になれば幸いです。


写真1. 大勢の見物客が押し寄せた、機内公開中のVMM-265所属、MV-22B オスプレイ(168217/EP01)


プロップ・ロータをVTOLモードにして展示された。人の大きさと比べるとその大きさが想像できるが、基本的にはオスプレイ配備前の米軍の主力中型ヘリコプター、CH-46とほぼコンパチブルなサイズとされており、CH-46の前後最大長さ(ロータブレード回転端間の距離:84.3ft≒25.3m)とオスプレイの左右最大幅(ロータブレード回転端間の距離)が等しく設定されている。

しかし、オスプレイの最大長さは57.3ft(≒17.2m)でCH-46の最大幅(ロータ回転直径):51ft≒15.3m)よりは幾分大きくなっている。





写真2, 3. 格納状態で展示された、同じくVMM-265所属のMV-22B(168028/EP07)

 左右合計6翅のブレードを折りたたみ、エンジンナセルを水平飛行状態とし、主翼を90度時計回りに回転させた状態が、オスプレイの格納形態で、揚陸強襲艦の格納庫ではこうした状態にある。 エレベータとの関係もあってそのサイズが制限されている。

写真4. 機首を正面方向から見る
レドームのライトニングストリップは、写真では少し見難いが、上下に各2本、X状に配置されている。
写真5. ウィンドシールド部
ワイパーのカバーが大きく飛び出ているのが分かる。


写真6. 空中給油プローブ
機首の右舷下部には引っ込み式の空中給油授油プローブが設けられており、インフライトでの給油ができるため、CH-46に比べると航続距離が飛躍的に延伸できる。
写真7. 機首右横のピトー管と警戒センサー
ピトー管は左右2か所、各2本が取り付けられている。また警戒センサーは機首と尾部に左右各2か所取り付けられており、全周方向のレーダ波やレーザ光の照射を警報するためのセンサーである。


写真8. 捜索/着陸灯
捜索照明灯を兼ねた着陸灯である。写真4でも見える位置に取り付けられており、左右2か所、対称の位置にある。
写真9. AN/AAQ-27A ターレット
前方監視用のレイセオン社製、中波IR(MWIR)センサー・ターレットである。


写真10. 前脚
油圧による後方引上げ式の構造である。この機体にはついてないが、オスプレイには前脚前方にはM-240 7.62mm機関銃を取り付けることが可能である。
写真11. 主翼のフラッペロン
主翼(左翼)と翼幅いっぱいに設けられたフラッペロン。現在は、フルダウン・ポジションとなっている。


写真12. 主翼端(右翼)とエンジンナセル
右翼端部のエンジンナセル回転部。主翼前縁には防氷装置が取り付けられている。
写真13.チルトロータ軸駆動用コンプレッサー排気口
チルトロータ軸を回転駆動させるためのコンプレッサー用排気口で、左舷にしかない。


写真14. 主翼旋回部
格納時に主翼を90度旋回させるが、主翼の下に見えるラインのところで回転する。胴体右上の板状のものは、前胴部ストレーキの後半分が見えている。
写真15. 後胴部上面
胴体最後部の扉はカーゴランプになっていて、水平尾翼の位置は少し高くなっている。黒く塗られたアンテナはMATT用。


写真16, 17 主脚
主脚は2輪タイプで、油圧により胴体側面の張り出し(スポンソン)内へ前方に引き上げられる。また脚は前脚とともに、3.7m/secの沈下速度に耐えうる強度を有している。


写真18. 警戒センサー
上方がAN/APR-39A RWRレーダ警戒受信機用AS4130Aセンサー、下方がAN/AAR-47(V)2Aミサイル/レーザ警戒システム用SSU-211センサー。
写真19. 垂直尾翼
垂直尾翼は双尾翼で、尾翼には小さなラダーが付いている。ラダーには放電索が3本取り付けられているのが分かる。


写真20. プロップローター・エンジンナセル側面
このナセル内に、軸出力6,150馬力のロールス・ロイス AE1107Cエンジンが収納されている。
写真21. エンジンナセル・テイルパイプ
テイルパイプ内を下からのぞいたもの。メッシュ状のフレームは、排気ガスと冷却空気の混合部。


写真22. エンジンナセル下面
正面に見える穴は、冷却空気の取り入れ口。ここから入った空気が高温の排気と混合され、排気温度を下げ、赤外線の発生を抑圧する。
写真23. 冷却空気取り入れ口
写真21のエンジンナセルにある、冷却空気取り入れ口をクローズアップしたもの。




写真24. プロップ・ロータ基部
ロータハブは、ヘリコプターと異なり、効力低減のため、スピナーで覆われている。
写真25. プロップ・ロータブレード
プロップ・ロータは複合材料を多用して軽量、高剛性化が図られ、また前縁は防氷処理がなされている。


写真26. プロップ・ロータ折りたたみ部

プロップ・ロータの折りたたみと展開は、APUもしくは外部電源車から供給される電力によって、主翼の旋回などとともに、シーケンシャルに全自動で行われる。

 



写真27,28 MV-22Bの前胴部と後胴部


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Vol.75  2014 November     www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /
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