Home  >彗星12型(アリイ、エルエス1/75) Suisei 12 (LS )

誌上個展

彗星12型(アリイ、旧エルエス1/75)
Suisei 12 (LS )

by  田口博通




 この LSの彗星12型は webmodelers掲載の作品に触発されて 「私もまたきっといつかと」 ずっと作ってみたいと思っていたいわば憧れのキットでした。 Webmodelersに何度も登場するLSの彗星は隠れた人気キットなのでしょう。LSの 1/75 シリーズの中の一つで1960年代初出のレトロキットであります。皆様もこのようないつか作ってみたいキットがあることと思います。
 
 33型と同様に細すぎる胴体にちょっとごついキャノピーの取り合わせが高校生時代には違和感があったのですが、いい大人になった現在では 目がなれてきたのか、記憶の中に深く刷り込まれたからなのか、気にならなくなったのは不思議です。
 実は迷わずきちんと最後まで完成したのは 恥ずかしながら今回が初で、今年正月休みに完成させました。
 2011年8月号の怪傑店長さん作品「空撮 彗星12型」 の中では「日本のプラモ史に残る名キット」と表現されていますが、作った感想は全く同感です。1/75という小さな機体ですが、彗星のフォルムと雰囲気が素晴らしいのです。

 もう昔のことですが 、当時の模型誌の厳しい評価に惑わされ、修正の山を実行しないと完成しないのではと思い込み、色々と作り方に迷いながら、2度、3度と迷路に迷い込んで、完成しなかったことが悔やまれます。
 70年代から90年代に模型誌の影響でしょうか、全体のフォルムや雰囲気よりも、パネルラインの正確さや細部の精密さがもてはやされた「木を見て森を見ない」暗い時代があったことが、LSやニチモのような多様なプラモデルメーカーの生き残りを難しくし、次世代の若い人々をプラモデルを作ることから 遠ざけてしまったのでは と感じます。




 模型を模型というプラモデル玩具としてメーカーごとのキットの味をそのまま楽しむか、
 それとも実機の精密な縮小を目指して、プラモデルキットを単なる素材として修正と改造を繰り返すか、プラモデルの楽しみ方には いくつもの多様な方法があります。
何が正解というものでもなく、それぞれの人が思い思いの方法で楽しめばよいのでしょう。そんなプラモデルの楽しみ方の多様性をあらためて考えさせてくれるのが、このLSの彗星でした。




 旧版で可動引き込み式であった脚部と爆弾槽は現在発売されているバージョンでは固定式に改められています。また、デカールも印刷が良いものに改められています。  これはこれで作りやすくていいのですが、可動引き込み式脚で作りたかった いうのが心残りです。





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Vol.76 2014 December   www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /  
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