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誌上個展

Fi156 シュトルヒ(エレール 1/72)

by  田口博通




 記憶ではエレールの飛行機キットで最初に購入したのが、このシュトルヒです。エアフィックスの古いキットに比べると雲泥の差で大変良く出来ていました。特にキャノピーへの主翼の取り付けのアイデアや、長い脚回りがしっかりとしています。エレールはフランスのプラモデルメーカーということで あまり馴染みが無かったのですが、小キットなどもモールドも構成もしっかりしていました。
 これ以後、エレールにはまった時期があり、頂点に達したのが F86Fセイバーを入手した時でした。当時は フジミセイバーが発売される以前のため、ハセガワの鯉口セイバーしかなく、エレールのセイバーらしいセイバーには感心し、塗装替えで楽しもうと5機もいっぺんに買ってしまいました。これが、今でも続く痛い見果てぬ夢病の始まりでした。
 このエレールのシュトルヒも 部品点数は少なく簡素なキットですが、まだこれに対抗する1/72決定版はどこからも発売されておりません。 エレールのキットは良く見えるコクピットの中も簡素ながらそれらしく、シートにシートベルトを追加するだけで充分で、脚の太さも適当で長さも左右で揃っています。
 エレールのキットはどれもスジ彫りではなく、繊細な凸モールドのパネルラインですが、その真骨頂は航空機材料テキスチャーの表現で、このシュトルヒも胴体下面にはしっかりと布の継ぎ目のロープのモールドがされています。木と金属の複合材の部分はそれらしく、又、翼の布は布らしくとの表現は やはり実機に取材して模型を作る伝統のあるお国柄でしょうか。
 この辺は、いかにパネルのスジボリが正確でも まるで識別模型のような国産メーカーの外形表現だけのプラモデルとは大きな感性の差異を感じます。




 1/72のシュトルヒは手の平に乗るような小型機なので、塗装は筆塗で行い、蛇のようなメロメロも面相筆でRMGグレーを塗ってみました。 翼端灯はアクセントが欲しかったので透明プラ棒でおごっています。




 木と布張りの短距離離陸が得意な軽量STOL機の代表だと思っていましたが、昨年、ミュンヘンのドイツ博物館で見た実機は機首カウリングがゴツゴツした金属板感の漂うもので、びっくりした経験があります。  もう一機分キットを在庫してありますので、こちらは折れ線迷彩にして主翼をたたんだ状態で作ってやりたいと また妄想しています。見果てぬ夢病は死ぬまで治りませんね。







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