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誌上個展

<日本航空史>
航研機の赤い翼

  by 加藤 寛之

 新年なので、見事に飛んだ話にしたい。
 航研機の主翼の色は?となれば、航研機を知っている方ならば「赤」と答える。では、それを何で知ったかといえば、普通の方ならば何かに赤いと書いてあったとか、復元機のカラー写真を見たとか、そういったことではないか。現存しない実機を今見ることは出来ないが、赤かったことの証拠の一つに、当時に発行された彩色絵はがきがある。 
ここに掲載した絵葉書の画像は、昭和12年7月31日撮影(星林社『写真集 航研機』p.83参照)のモノクロ写真をもとに、地上風景を飛行場のように描き変え、人工的な作業で着色したもの。どんな感じの赤かは分からないが、とにかく赤であったことは分かる。




 切手貼付欄には「愛国航空郵便切手ヲ御利用下サイ」とある。切手に描かれた飛行機は、DC-2だろう。記念印は漢口陥落記念で遠景には立ち上る煙を描いており、今日の感覚では理解しがたい当時の世相がうかがわれる。当然のことではあるが、このように画像の面に切手を貼り記念印を押しているのは記念としての行為だから発送しないので、切手代金2銭+寄付2銭=4銭を国家に寄付したことになる。これに葉書の購入費が上乗せされる。国民が軍の行動を支えた証拠が読み取れる。航研機はそういう時代の飛行機なのだ。  航研機は、実物大の復元機が三沢航空科学館にある。残念なことに私はまだ見ていない。東京都八王子市の日野オートプラザにも大型模型がある。日野オートプラザには航空エンジンの実物も何台かある興味深い施設で、自動車マニアだけでなく飛行機マニアにもお薦めの場所だ。駐車場もあるのに来館者は少なく、なんと入館無料である。



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