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誌上個展

   局地戦闘機 ショーキ (ハセガワ 1/32)

by 愛知県在住 作者 清水 栄治




■作品について
 この作品は2014年10月頃に作成したもので、石阪浩二さん主催の“ろうがんず杯“に出展したものです。意気込みは強くあったものの結果は残念なものでした。一位賞金30万円とは驚きです。賞金及び副賞はすべて石坂さんのポケットマネーですから太っ腹ですごい人だなと改めて思いました。 私には出展だけではなく、石阪さんに会って直接お話しをすることがもう一つの目的でもありました。石阪さんが大の飛行機好きでしかも大戦機が好きで又旭日旗をアメリカから実費で買い戻したことは知っていました。それゆえに旭日旗と日本の局地戦闘機とのマッチングをイメージして製作しました。




■キットについて
 ハセガワ製1/32二式単座戦闘機 ショーキは現在入手しやすいキットですが本来は30㎜機関砲を搭載したキットを作る予定でした。それはどこの店頭にもなく入手困難な状態です。この30㎜機関砲搭載機はB-29を撃ち落とすために開発された機種で小さな機体にでかい機関砲とてもアンバランスでまたユニークさに魅かれるところであります。しかしながら手に入らないために通常の20㎜機銃にしました。キットの機体のパネルライン及びリベットは凹仕上げのハセガワスタンダードで合いもよく好感の持てるキットです。今回は短時間で仕上げをするために改造を極力抑え塗装とジオラマに手を入れることにしました。飛行機は主翼の補助翼だけを切り離しダウン状態にしました。ほぼストレートに組立ました。問題は塗装です。機体は銀色に塗りますが退色を表現しました。まず、ガイアカラーのメタルシルバーを2回エアブラシで吹き付けます。案の定、翼と胴体の付け根に金属粒子のツブツブが残りました。 これは乾燥が早く吹き飛ぶ時点での跳ね返りの溜まり場が1か所に集中することによっておこる現象でした。そこを水ペーパーで平滑に削りだして再度、超薄めのシルバーを1回吹き付けて完成。その次は日の丸と識別帯ですがデカールを使わずにグンゼカラーをエアブラシしました。ここでは塗料の剥がれを表現するために銀塗装の上に極小にちぎった糊付けしたスポンジを転々と散りばめました。日の丸は赤色、オレンジ色を使いグラデーションを利かせ退色をイメージしました。乾燥後スポンジをとれば銀色の下地がのぞき剥がれが表現できたと思います。(少し大きすぎた感がある。)文字、部隊マーク等はデカールを使いました。その後パネルライン及びリベットにタミヤカラーで墨いれ。塗装、デカール乾燥後ガイアのクリアーを2回吹き、艶出し調整。乾燥後グンゼのスパークリア+1/3艶消しを2回きつけで完成。銀色のくたびれた感じが表現できたと思います。




■パイロット等について
 パイロットは”造形村の1/32絆”とマスターボックスの日本人Pを使用しました。人形は顔が命ですが、4体のうち2体の顔の表現がいまいちな感は隠せません。服装などはレジン製もあってよくできていました。塗料は海外メーカーのアクリル塗料を使いました。これはグラデーションや濃淡を表現するにはとても使い勝手が良いと思いました。(これはとても奥が深い)その他の神棚、机、椅子、黒板、旭日旗、リアカーなど全てスクラッチしました。 特にリアカーは伸ばしランナーを加工し車輪のスポークを手抜きすることなく製作しました。飛行場はインテリア棚の台座の上に厚紙をボンドで貼り付け、コンクリートの目地を溝彫りし、グンゼカラーでコンクリート調にエアブラシしました。最後の仕上げで飛行機の排気、スス汚れ、飛行場のタイヤ痕をパステルカラーの微粉末を筆につけブラッシングしました。




■全体について
 製作に80時間程度かかりました。飛行機はコンスタントにできましたがジオラマを盛り立てる内容に悩みました。日本をどのように表現するか?ついつい考えすぎてしましました。それには米、英、独などの華々しさがなく漠然とした決死隊と神をイメージしすぎたことにあるように思いました。 今回の”ろうがんず杯”に出展してみて思いましたが、リアルさやテクニックに溺れることなく本当に楽しんで模型作りをしているかが大事であることに改めて気づかされました。




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