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誌上個展

<日本航空史>
飛べ、T-1!

  by 加藤 寛之

  新年の話題のひとつに、三菱が開発している旅客機MRJとホンダジェットという国産民間機への期待があげられていた。そこで今回は、すでに退役した戦後初の国産ジェット機T-1を選んだ。模型の商品としてみれば海外で売れないことが原因だろうが、いわゆるプラモデルは日東科学の1/75とハセガワの1/72くらいだと思う。だが、プラモデル史としてみると興味深いことがある。日東科学のT-1が『プラモ・ガイド』で紹介されたのは1966年版で、キット評者は鳥飼鶴雄氏だった。
 ハセガワのキットは1972年春版で、これの評者も鳥飼鶴雄氏。資料集として1973年に発売された航空情報別冊『日本航空機ガイド』Vol.2「自衛隊機」のT-1ページの著者も鳥飼鶴雄氏。
近いところでは2006年発売の『世界の傑作機』№114「富士T-1」で実機開発について書いているのも鳥飼鶴雄氏なのだ。その語りは、プラモデルであっても実機であっても、猛烈に熱い。私は子供のころに航空自衛隊入間基地の航空祭でT-1を見ても、厚い主翼でナマズが口を開けているみたいな胴体なのに日本的に流麗な姿のアンバランスが好きになれなかった。いや、基地の隣の公園に長い年月置かれていたときも、特に興味を持たなかった。今はこの機体のどこをどう見るかを少し知ったことで、見る目が変わった。また、主翼設計では彩雲の資料が役立ったという話しも伝わっている。実際はどうなのだろうか。




 機体そのものは各地の博物館で見ることができるが、現役で生きているときにもっと見ておけば良かった。写真は原型機。この時点の呼称としては正しくないだろうが、そんなことはどうでもいい。「飛べ、飛べ、T-1!」



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