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誌上個展

スピットファイアMk.Ⅴ (レベル 1/72)

  by 加藤 寛之




 組図に「1996」とあり、発売から20年近くたったことになる。箱にはポーランド製とある。商品の性格としては、レベル・ファイターシリーズの更新版ということになる。 キットを組んだ印象を先に書けば、ファイターシリーズの設計感覚で表面仕上げを今日風にしたもの、という感じか。




 部品構成は、細かい分割で精密再現を目指したものではなく、一体モールドでそれなりに造るという方針。コックピットは5点構成で側面は胴体内面彫刻。各部品は手で持って作業できる大きさなので、気楽に作れる。主翼は先端が別部品で、標準翼と切断翼の選択方式。脚庫は壁が造りこんであるので感じがいい。冷却器は翼と一体モールドで、内面には床パーツがない。私はどうせ見えない下面など関心がないのでそのままだが、これは好みで塞げばよいだろう。上下面にある機銃の膨らみは別部品で、接着前に手で軽く翼面にあわせて曲げておくとよい。 別部品なのでやや突出が大きいが、許容範囲だ。胴体と主翼は、スキマを開けないように接着すれば上反角がちゃんと付く。スピンナーは前方から被せるだけの簡便な方式。今日のキットならばペラの後ろが空かないようにパーツを付けるだろうが、このサイズならば完成後に大差はない。ちょっとどうかナ、と思うのは主翼から伸びた機銃で、主翼前縁に直付けする。ここは念のため棒を挿して補強した。排気管、尾輪、アンテナ柱は別部品で後付けだから、お手軽である。主脚の接着にはグラつきがあって角度が決まらない。そうはいっても、ちょっと丁寧に扱えば支障ない。




 気になったところもあった。機首上面がヘロヘロでパテでの整形が必要だった。キットは最近に購入したものなので、あるいは金型が弱いのかもしれない。機首下面は合わせめは尖る感じで丸み不足、胴体後背部は絞込みが不自然で尾翼への流れがおかしい。主翼後縁と胴体が接する下面部分は平らに造られており、実機の逆ガル的な造形がまったく無視されている。エアフィックス社ならばここは執念で造りこむ特徴だといえる。 塗装は例によって水性塗料の筆塗りで、色はその辺りにある似たようなものを塗っている。デカールはなかなかシブい色で、グッと見栄えがする。主要なものだけを貼って、こまかな注意書きは省略した。主翼前縁の黄色は塗り忘れてデカール貼付後に描いたので乱れがあるが、これは仕方がない。




 出来上がってみるととてもそれらしくて、とても感じがよいと思う。なんといっても作りやすい。雰囲気はいかにもスピットファイアっぽい。 先の難点も完成写真ではそれと分からなと思う。それならばイイじゃないか、という気がする。


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