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誌上個展

P-39エアラコブラの製作 (レベル1/72)

by  田口博通




 国産化されたレベルの1/72ファイターシリーズが校門横の文具店で100円で並ぶようになったのが、1960年代半ばだったかと記憶している。モデルアート誌が創刊されたのは1966年で当時 150円だった。航空ファン誌でもグンゼの提供でファイターシリーズのカラー塗装図が掲載されるようになり、毎月 楽しみにしていたものだ。このカラー図だけは切り取ってファイルし現在まで大切にとってある。
 当時、私が住んでいた四国高松でも街にはプラモデルを置いてある店がたくさんあり、レベルの他、LS,タミヤ、フジミの第二次大戦機が並び、ちょっとしたプラモデル黄金期ブームとなっていたのが懐かしい。どっぷりとプラモデルに はまったのが ちょうど プラモデルに色を塗ることを覚えたこの頃だった。
 グンゼカラーが発売されたのが、60年代末、高校生の頃なので、それまでは ピラーとハンブロールで塗っていた。
 最初に作ったP-39も 当時はハンブロールで塗った記憶がある。 ハンブロールは筆塗でも伸びが良く 隠ぺい力が強くて、1缶買えば相当機数を塗れた。 エナメルなので、乾燥に時間がかかるのが欠点だった。後に、ヘアードライヤーなるものが普及して それを拝借して乾かすようになり、苦にならなくなった。実は、このころ買ったピラーもハンブロールも使いきれず、50年経った今も、まだ少し残っていて、我ながら 自分の物持ちの良さに感心する。

 レベルの1/72 P-39を作るのは今回で通算3機目。再販された時のキットを引っ張り出して また作ってみた。


製作

キットについて
 下の箱絵は 再販時のもので 左下にSTマークが貼られている。ヨーロッパの操車場の上を低空飛行するエアラコブラを素晴らしいタッチで表現している名画だと思う。
 部品は右写真のようなもの。現代とは違い、こんな感じで部品がランナーについているのが 当たり前の時代だった。1960年代に初出のキットなのだが、表面テクスチャーの表現は素晴らしい雰囲気で、現代の凹彫りパネルラインだけのキットとは一線を隔している。
 P-39はよく知られているように胴体中央にエンジンが内臓されているが、このキットは、1/72の大きさの中で、それを拙いながら再現し、パネルをはずせば見られるようになっていた。現代の外形表現だけの飛行機プラモデルとは これまた 違う所だ。  
 このレベルP-39のキットの弱点は プロペラスピンナーが丸いこと。それはよく解っているのだが、3機目の製作なので、今回はオリジナルの雰囲気を大切にしたものを作りたい。それで 解った上でスピンナーも修正せずに そのままで作ることにした。
 同様に表面彫刻は極力痛めないように、オリジナルを残すように意識した。デカールだけは さすがに経年変化で辛い状況だったので、アカデミーから流用と相成った。


胴体
 胴体の構成は下のようになっている。エンジンもそれなりに再現されている。そのままでは奥まってとりついてしまうので、取り付け部にプラ板を噛ませて1mmくらい浮かせた方がよい。シートは床板と一体になった簡単なもので、さすがに、シートベルトだけは板鉛を細切りにして追加した。  今回、計器盤にはアカデミーから流用したデカールを使った。こういう箇所は、計器パネルをプラ板に貼り、胴体にはプラ材で接着シロを作っておいて、取り付けると、ぐらぐらせずにしっかりと取り付けられ楽だ。
胴体内部は全面を機内色グリーンに塗っておこう。
 

脚収納部
 前脚収納部も筒抜けなので、プラ板で胴体左右接着前に内部でカバーしておこう。 主脚収納部も同様にプラ板で隙間を閉じておくとよい。これだけでも、完成後の満足感がかなり違う。


成形
 胴体と主翼、尾翼を接着し、接着継ぎ目を整形する時には、表面彫刻を極力痛めないように、両側をマスキングテープで保護しておくとやりやすい。 それでも、接着剤が漏れたり、隙間をパテで埋める部分が出るので、傷付いた部分は 後で、カッターナイフと針先で気にならない程度に補修しておいた。
今回は、筆塗の予定なので、サフェーサーで下塗りをせずに、そのままで塗装に入るため、胴体と主翼の継ぎ目には筆で500番のサフェーサーを塗り、細かいペーパーで丁寧にならしておく。


 塗装
 アカデミーから流用したデカールに合わせ、尾翼は艶消し白を先にマスキングして筆塗りする。  その後、下面のニュートラルグレーを筆塗し、境界をマスキングして、上面のオリーブドラブを塗装する。
今回はSDカラーのオリーブドラブを使用した。


脚、機銃ポッドなど。
 デカールを貼り、艶消しクリアをエアブラシで吹いて保護した後で、主脚などを取り付ける。
 接着強度をかせぐために、部品状態では個々の塗装をせず、下面にしっかり接着した後で、面相筆で塗っている。これも筆塗ならではの技といえるのかもしれない。
機銃口は先端をドリルで少しえぐっておくといい感じになる。
 

■ 完成
 ピトー管、アンテナ柱などを金属線で置き換えた。キャノピーを取り付け、問題のスピナーを取り付ければ、完成だ。やはり短くて丸いのがよく解る。
  エンジンパネルは両面テープを使って、取り外せるようにしておいた。
 無塗装でもレベル印のスタンドをつければ、飛行状態で飾れる。レベルのファイターシリーズは雰囲気が大好きという人が多く、これが まだ現役で発売が続行されている最大の理由かもしれない。
  レベルの1/72は 細かい部分に目をつむっても、とにかく作った人勝ち。楽しんだ者勝ち、そういえるのではないでしょうか。








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