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誌上個展

ブリストル ボーファイターTF.Mk.Ⅹ (タミヤ1/48)

by 寿




 トッピード(雷装)ボーファイター。通称トーボーであります。しっかしこのヒコーキ、ブットイっつーかゴツイっつーか何とも言えないスタイルでありますな。良く言えば個性的。悪く言えば不細工。   胴体太い割に機首が短くて、翼もまた「ど」が付くほどぶ厚いもんだから余計に野太く見えちゃったりします。機首にレドームの付いたバージョンは若干スマートに見えますけど、あくまで「元と比べたら」って程度だし。




 でもまぁ、一度作ってみたかったんですよぉ~インベンジョンストライプ付きのボーファイター。ドイツの艦隊がイマイチ不活発だったせいもあって、狙う艦艇は大抵が輸送船団などがメインだったようですけど結構活躍したみたいですね。  もっとも本格的な対空兵装の戦闘艦を相手にしたら、日本の一式や九六式陸攻みたいな憂き目にあったかも。




 それはともかく、この地味地味塗装のブットイやつも、ストライプ付けたらあら不思議。何故かおしゃれな強面さんに見えてくるのは何故でしょう。縦縞だから細身に見えるのか?
 いやいや、胴体には平行ではなく直行してるから逆に太く見えるな。濃ゆ~い個性は隠すよりも強調した方が燦然と輝く魅力となる?



 そうか、そうだったのか。また一つ模型によって人生のなんたるかを教えられたような気がします。偉いぞ、ボーファイター。水平尾翼の異常な上半角も素敵だぞ。  胴体をもちょっと伸ばせばそんな必要無かっただろうに、って言うのはたぶん野暮。ブリストルはこいつで太く短く生きる戦闘機を体現したかったに違いない、きっと。



 ああ、またかっちょええヒコーキを作ってしまった。今回も満足至極であります。  



製作の詳細

(写真1)何はともあれコクピット。今回はパイロット付き。出来も良いので首の角度だけ変えて乗せちゃう。

(写真2)後部銃座員も当然乗せる。パイロットと同じ人物に見えるのはきっと気のせいだ。あるいは双子の兄弟かもね。機内色は指定色どおりに。どーせキャノピー越しだと暗くなっちゃうしね


(写真3)胴体貼り合わせて翼もくっつける。おお、ここまで来ればヒコーキに見えるぞ。テンションもどんどん上がってゆく~

(写真4)ストライプから先に塗ってまいります。白い部分はセールカラー。黒い部分はタイヤブラック。ストライプは機体色よりもずっと後に塗られたのでは?と思うので退色表現はオミット。まぁ、実際はすんげ~汚れたストライプも見かけたりしますけど。

(写真5)翼端灯はこの時点で貼っ付けて、バリバリ削って面一にしたあとコンパウンドで磨きだし。やっぱ翼面とラインが馴染んでると気持ちいいですしね。
(写真6)下面色を平筆でベタ塗り。パネルラインはニュートラルグレーを面相筆で塗っちゃう。キットの指定色はスカイだけど明度を一段落とした中島コクピット色で塗ってます。機体の性格からして、ちょっと濃いめの塗装が似合うかなと思いまして。いつものように塗りむらの部分は下地よりも明度を一段上げた色を。今回は明灰緑色。

(写真7)アップにするとこんな感じ。うーん、我ながら大雑把な塗りだ。
(写真8)機体上面も色こそ違え、やってることは一緒。パネルラインを塗ってる色が赤褐色なのは上面色が下面色よりも暗いから。上面色の下地は実機と同色と思われるオーシャングレー。ムラ部分を塗った明るい色はミディアムシーグレー。このあと、この下地よりも明るい近似色(オーシャングレー+ミディアムシーグレー)でエアブラシをかけます。つまり模型の色は実機よりもずっと明るく仕上がることになりますね。遠くにあるものは空気のあるせいで色は薄く淡くなってみえちゃったりする訳です。1メートル離れて見た模型は1/48だと48メートル先にある実物の見え方と同じ、スケールエフェクトってやつです。(実際は彩度も落としてもっと軽くしたいとこですけどね)


(写真9)近似色でエアブラシをかけたとこです。ほーらこんなに明るい。ムラも良い感じにボケボケになってもう目立たない。そーいや某模型誌でこの方法を発表したら「なりゆき塗装法」なんて命名されたな。確かに計算づくじゃやってないけど・・・・ねえ。

(写真10)エンジンカウリングも塗っていきます。黒塗ったあとレッドブラウンを面相筆でぺたぺた。エンジンはハーキュリーズ17型だけど排気方式はロックのパーシュースと同じ前方排気型。まぁ、同じブリストルだし自分とこの機体にゃ自分の作ったエンジン乗っけたいよね。
 この方式はエンジン後方をクリアにして冷却空気の排出速度を上げて効率向上を目論んだんだけど、カウリング前縁に集合排気管が来るので冷却用の流入空気が暖まって、逆に効率が落ちちゃったというオチが付いております。・・・・もー、なんちゅうか、スゴくイギリスらしいっす。でもこの方式、ダサくてゴツい上にお馬鹿なんだけど個人的には割と好き。

(写真11)スミ入れしてデカール貼って、気になるところとちょびっとリタッチ。汚れは少し控えめに。そしてセミグロスでトップコート。最近はセミグロスがマイブーム。
(写真12)おおう、完成でござる。やっぱでっかいよ、ボー。屠龍よりサイズで一回り、体重で二回りはデカい。屠龍がブルース・リーならボーはサモ・ハン・キン・ポーか?・・・・古い、古すぎだ。ここでジャッキーつうのもなんだしなぁ。ジェネレーションギャ~ップ。ああ、とみに世代格差を感じる今日この頃。時代は繰り返す、って台詞は言い訳にしたくないですなぁ。


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