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誌上個展
飛行機プラモデル製作  温故知新シリーズ第12弾

F-4B ファントムⅡ(ハセガワ1/72 初版)

by ヒサマロ




 こんにちは、ヒサマロです。今月の特集「絶版キットを作ろう」にあわせて今回の温故知新シリーズは先月予告したとおり1966年にハセガワが1/72シリーズの第1弾として発売したF-4ファントムⅡを取り上げさせていただきます。ファントムはこの1年でレベル1/72,東京プラモ約1/100に続いて3度目の登場となりますがそれほどファントムが大好きなんですよ。その原点がこのキットなんです。私はこのキットで初めてファントムというジェット戦闘機の存在を知りました。
その後厚木基地で実物にお目にかかりその迫力に圧倒され、横田基地にもベトナム迷彩をまとった空軍のC型が配備されるなどで我が家の上空を飛行する姿をよく見かけるようなりだんだんとその魅力にはまってゆきました。
それでプラモデルでもマルサン1/50、レベル1/72、エアフィックス1/72など次々と製作していきました。ハセガワもファントムにはかなりこだわりがあるようで1968年には胴体と主翼を新しくしてF-4J 、F-4Kとして発売しました。これら2代目が発売された段階で初代はお役ごめんとなりました。あれから約50年の歳月を経て再び原点にGet Backしてみました。




 前置きが長くなりましたが現物を見てゆきましょう。ボックスのデザインはベトナム迷彩のファントムが離陸中の絵が描かれており全体のパッケージもジェット機らしくスマートにまとめられております。キットナンバーはJS-011で定価250円、部品総数は60です。 面白いのは組立説明書の大きさでなんとB4の倍B3です。この辺からもハセガワのこのシリーズに賭ける意気込みが感じられます。




デカールも当時としては大盤振る舞いで海軍、海兵隊、空軍の3種類を選択できます。なぜかNAVYの文字がインシグニアブルーで印刷されていたりします。 ただせっかく塗装図にもベトナム迷彩が載せられているのですがデカールには迷彩用がないのは残念です。




 それでは組立に入りましょう。コクピットはレベルのキットを参考にしたようで全く同じです。いつものように内部、座席を黒く塗ってパイロットを丁寧に塗り分けておしまい。左右の胴体を接着する前にアレスティングフックとスタビレイターが可動になっているので必要部品を組み込んでおきます。ここはエアフィックスのキットを参考にしたようです。胴体を接着すると機首部分と尾部に隙間が少し出来ますので溶きパテで処理しておきます。 主翼は普通の上下接着形式ですが胴体への接合部が主翼後縁部分で分割されています。胴体と主翼を接着時にこの部分に大きな段差が出来るので接合部をしっかりと削った後パテ盛しておきます。キャノピーを接着して基本的な外形は出来上がりました。全体を眺めてみるとまず機首部分が細くしかも全長がかなり長くなっています。ラムエアインティークも細長く増加試作機のようです。




 スパローの取り付け部もかなり勘違いしてはいますが全体としては当時の国産キットとしては良く出来た部類ではないかと思われます。細部も脚関係の省略が目立ち実感をそいでいますがこのキットの特長はなんといってもアクセサリーが豊富なところにあります。 600ガロンタンク、ブルパップミサイル、爆弾12発のフル装備です。レベルやエアフィックスにはない賑やかさでファントムの魅力を際立たせています。今回はこれをそのまま使用いたしますのでマーキングは海兵隊からチョイスすることとしました。




 キットのデカールは使用できそうもありませんので別売りデカールからこれも40年物のビンテージ品で英国モデルデカールNo.2からVMFA-531グレーゴースツにしてみました。このメーカーは確か初めて計器盤をデカールに印刷してくれ、昔とても重宝した覚えがあります。 使えるかどうか試したところ水につけて10秒ほどで台紙からスライドさせて貼ることが出来、密着度もとてもいい感じでした。さすが英国産いい仕事しています。




 今回も昔のキットですから基本何も手を入れませんでしたが1箇所だけ改善させてもらいました。それはモデルアート創刊号にも記載されていましたが内側のパイロン取り付け穴に合わせて接着するとパイロン後部が脚収納部に大きくはみ出てしまいます。 そこで取り付け穴を5ミリほど前進させて接着しました。最後にトップコート半艶を吹き付けて完成です。




 現在のハセガワの礎を作った1/72シリーズの第1弾として選ばれたファントムいかがでしたでしょうか?この当時日本では飛行機のプラモデルといえば大戦機が主流でしたが、ここからハセガワはミグ21、F-104J,F-105D,F-86F,F-5A,A-7Aなど怒涛の現用機ラッシュをくりだし、私たちの夢をかなえてくれるメーカーへと成長していくのでした。 やがてタミヤも1/100ミニジェットシリーズを展開してゆくことになるのです。




 ファントムは1968年の2代目になると外形はだいぶ正確になりましたが表面処理が改悪されて戦車のような大きな凸リベットが打たれたのにはがっかりきました。今回は2代目のファントムと記念写真を撮りました。 1990年に発売された3代目ファントムは震災の時に壊れてしまいましたのでただ今製作途中です。早く完成させて初代から3代目まで並べたいですね。それではまた次回お会いしましょう。








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