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飛行機プラモデルの製作

Me262A-1 (レベル 1/72)

  by 加藤 寛之




 ファイターシリ-ズを新金型で更新するように発売されてきたキットのひとつ。組図をみると「1997年」製らしい。パネルラインを凹彫りにして、部品数を増やさない範囲内で精密化を図っている現代風な製品だ。 うすい肉厚で、それが柔らかい素材で成形されている。発売から20年に近いのだが、金型が軟質なのかキズや補修跡が目立ち、ところどころで筋彫りが埋まっている。素材が柔らかいので修正は簡単だが、ちょっと残念なところ。




 左右の胴体を仮合わせしてみると、肉厚不足と素材の柔らかさでまとめにくい。合わせの凹凸が部分的にずれていたのでそこを切り落とすと、ますます合わせにくい。マスキングテープで巻いて押さえれば軽く削る程度で済むようになるので、まあいいか。コックピットはバスタブ型を再現している興味深い造形で、完成すると見えない外側にも彫刻があって実機構造を感じさせる。そこの部品分割も簡単で、これには感心した。上述のコックピットの組み物は組図のように左側で固めずに、左右胴体の真ん中につくようにするとよい。前脚庫付近は胴体下面とあわせて別構造で、錘を入れるのには便利だ。だが、このパーツが周囲とうまくつながらない。スペーサーを挟めば改善しそうだが、ここは隙間だけを埋めておく。胴体と主翼の合わせでは素材の柔らかすぎが原因だと思うが、やはり面をそろえにくい。補強しながら調整すれば改善できそうだが、うすくパテをのせてごまかした。 単座用の背部パーツの成形も甘いが、これは許容範囲。エンジンナセルは、尾部のコーンの取り付け部上部をちょっと削り落とし、ナセル左右合わせた後で上から差し込むと位置決めが楽で、しかも排気口の整形もずっと簡単。脚柱の成形ズレが以外に大きいので、テキトウに削って目立たなくしておく。脚カバーは一体成形になったものを切り離して使う。脚柱と脚カバーの接着は、キットの想定をあてにしないこと。風防は金型崩れが始まっており、透明度も悪い。そこで開状態に切り離し、それらが目立たないようにした。こういったゴマカシ技が、プラモデル作りには大切だと思う。そんなこんなで、形が出来上がった。





 塗装は2種から選択できる。私は塗装がきらいなので、簡単な方にした。デカールはやや厚手だが、強力な軟化剤で密着できた。使ったものは主要なものだけで、細かいものは貼っていない。私が見ているような雑誌にある大戦中の実機写真こそが私の「実機」で、そこでは細かなマークはまったく見えない。 私には主要なマークだけの方が「実感」がある。垂直尾翼のマークは、何かの余りデカールを貼っておいた。赤文字の注意書きは面相筆で赤をチョボチョボ塗りにして、デカールに代替した。赤が入ると模型的に感じが良さそうだと思ったから。最後にトップコート半光沢をふいて、ハイ完成とした。



 出来上がって見ると、デカールの発色がよく、見栄えがいい。これはMe262に見える。でも、エンジンナセルってこんなに細かったかな?機首先端から主翼あたりへの面の流れはこうだったかな?後胴のまとまり方はこうだったかな?胴体下面ってこんなに平らな感じだったかな?腰高に見えるのはそのためかな? などなど思わないではないが、完成こそが重要。「完成」の紋所の前では、前述の疑問もひれ伏す。お手軽に作れるキットであるためには、そんなことは忘れておこう。  そのうちに、旧フロッグあたりを作ってみようか・・・、マッチボックスはどうだったかな? ハセガワのキットはこのごろ全然、見ないし・・・、なんで製造しないのかな。
 作るって、たのしいなぁ。


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