第二次世界大戦前には、PZL.P11などの独創的な航空機を生産していたポーランドの航空産業は、ナチスの占領と独ソ戦の舞台となって崩壊しました。戦後、再建はソ連機のライセンス生産から始まりました。そして1955年には、国産練習機TS-8ビェス(悪魔)を初飛行させるほど復興し、その後継機として開発されたジェット練習機がTS-11イスクラ(閃光)です。初飛行は1960年で、1963年からポーランド空軍部隊に配属されていますが、なんと国産ターボジェットエンジン(SO-3)を装備しています。
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後継のPZL I-22イリダは1976年から開発されましたが、正式採用に至らず、このため現在もTS-11がポーランド空軍の練習機の主力です。
1961年のワルシャワ条約機構軍練習機コンペで、チェコスロバキアのL-29に敗れましたが、インド空軍への輸出に成功し、半世紀以上に渡る現役の履歴は、ポーランド航空産業のレベルの高さを示す、傑作機だと思います。
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