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誌上個展

<日本航空史>
赤いビードルと赤いリンゴ

  by 加藤 寛之
プラモデル コラム

 友人に誘われ、東京の中野駅前で開催していた東北各県の物産展に行った。お目当ては三沢市のテントで売っている、この「ミス・ビードル号」。三沢に行かないと入手できないと思っていたので、これは嬉しい。現地価格よりの100円くらい安かったみたいで、喜びは大きい。製品の開発・製造はプラッツだから、完成品プラモデルとして充分に立派だ。 お好みでスタンドに付けて飛行中にするときは、車輪を外せるという味のある品だった。とはいえ、ごったがえしている東北の食品類に比べ、どうも売れ行きは芳しくない。写真で横に置いてある切符は50周年記念のもので、今から30年以上前のもの。こちらはネットオークションで数年前に入手したものだが、100円だったと思う。どうやら、骨董的な価値はまったくないようだ。





 こんな状況の「ミス・ビードル号」だが、日本航空史としては欠くことのできないヒコーキである。ただし箱にある「世界初!太平洋無着陸横断飛行」はおそらく厳密にはマズい表現で、「ミス・ビードル号」の2年前、昭和4年に飛行船の「グラーフ・ツェッペリン」号がお客さんを乗せて横断しているじゃないかと思う。まあ、現代の日本人は飛行船を飛行機だとは思っていないだろうから、これでも良いのだろう。 「ミス・ビードル号」が淋代から飛び立つとき、地元の方が機上で食べるようにとリンゴを数個、手渡したそうである。それが縁で到着地点のウエナッチからリンゴの苗木が青森県に贈られたそうだ。心温まる話しではないか。


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